152 道を外れた ページ23
『それは貴方達がよく知っているはずです。』
初代の言葉に膝丸は言葉を詰まらす。
反対に一向に声を上げない髭切を見据えるが、彼は切なげに笑うと顔を横に振った。
『……そう、声が』
よく見れば喉元に深い刀傷が見受けられる。
勝手に塞がっているのを見る限り、ここの審神者は手入れをしなかったのだろう。
地面に刺さる自身の刀身を鞘に納めた膝丸は、主の所へ案内する。と歩き出そうとした時だった。
「何事です？」
凛とした声が上から降り注いだ。
目線を交えると、彼女は初代の姿を見るや否や目を見開き口をハクハクと動かす。
『第五千八十四本丸審神者、麗華ですね？』
「…はい。初代様。麗華でございます。」
彼女は律義に頭を下げ、自分が審神者であることを認める。
『貴方に、憲法第十二章第一条及び第八条、十四条その他諸々の違反行為により逮捕状が出ています。速やかに出頭しなさい。』
一瞬驚いた表情を見せるが、次の刹那歪に口角が上がり、クツクツと喉で笑う音が聞こえる。
「ああ、流石です。流石ですわ、初代様。まさかこんなに早く見つかるとは。」
『やっと本性を出したか。ということは認めるのね。』
「ええ。…ええ、認めますわ。」
肯定の意を示したかと思うと、両手で印を構える彼女。
『まぁ、大人しく出頭はしないか。』
「ここは私の楽園！」
『刀剣男士達にとってここは地獄よ？』
初代の言葉など聞くわけもなく、Aの上空には雷雲が発生する。
それを見上げて余裕に見上げる彼女。
『へぇ。雲を操るか。中々やるじゃん。でも、なんでそういう子に限って間違った道を進むかなぁ』
溜息をつくと、その彼女に麗華はためらいもなく雷を落とした。
すさまじい電気と光、音にその場にいた刀剣男子はたまらず目を閉じ、耳を塞ぐ。
「うふふふふふ。雷に耐えられる人間なんているずな…い。」
だが、麗華は自分の放った言葉に裏切られる。
自身の瞳に映るのは、落ちてきた雷を纏う初代の姿。
一筋の雷が龍の姿をし、彼女の体に巻き付くかのようにうねうねと浮かんでいるではないか。
『貴方が操るのは雷であって、龍神ではない。』
断言する初代の、片目の金が怪しく光る。
「な、なぜ…」
『その歳でそれほど高度な技術が出来ることは称えよう。だが、その力に溺れてしてはならぬ事をした。きっちり償ってもらう。』
「や、やめっ」
初代が纏っていた龍が吠えながら勢いよく飛び出し、凄まじい音が響いた。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (
レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます！！！！ (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました！ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます！お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました（＾ν＾）ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです！いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年9月29日 22時
