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140 演出 ページ11

実技、練習場となっているこの場所は体育館二つ分ほどある。
その広い空間に生徒たちは、中央を囲むように体育座りをし、ショルダーのように自身の初期刀を背に背負う。

一人が初代の入室を知ると、瞬く間に騒がしかった室内が静寂に包まれる。
Aはコナンを扉の脇で待機するように告げ、中央へと歩き出す。


『では、授業を始めたいと思いますがその前に。Bクラスの皆さん初めまして。初代、審神者のAと申します。』


運動着にBと記載されている生徒たちは一斉に頭を下げた。


『じゃあ、始めましょうか。』


手の中にある七つの鈴を真上に投げる彼女には注目せず皆がその鈴に釘付けになった。
それもそうだ。一番楽しみにしていた刀剣男士とご対面できるのだから。

瞳を輝かせ、鈴を追う姿に笑みを零す初代に対して、溜息をつく教師一同。
毎回そのように受けてくれればいいものをと密かに思うのであった。

その鈴から、一斉に影が飛び出したと思うと、主である彼女の前に跪き頭を下げた。

この光景に生徒一同からどっと歓声が上がった。
大歓声の中、ぽかんと口を開いていたのは初代本人であった。
え、何それ、聞いてない。誰の差し金かと困惑し、仕舞には平安じじいズの誰かと収まる。
そんな中、教師一同は、今年は凝った演出だな。と呑気な事を思っていた。

初代が呆気にとられる中、落ちてくる鈴をきちんと受け止め懐に収める彼女は抜け目ない。
一向に頭を上げない彼らに、徐々に歓声が無くなりパラパラと話し声だけが聞こえていた。

一番最初に頭を上げたのは小夜。


「...短刀、小夜左文字。主の命により見参しました。」


立ち上がり、もう一度頭を下げて生徒たちの方へと振り返る姿に一同が呆ける。


「脇差、にっかり青江。同じく見参致します。」

「打刀、宗三左文字。同じく。」

「太刀、江雪左文字。同じく。」

「大太刀、蛍丸。同じく。」

「薙刀、巴形。同じく。」

「槍、日本号。同じく。以上七振り。」


最後の日本号が立ち上がり頭を下げた所で、何故か拍手が沸く。
その音でAは呆けていた顔を元に戻し、初代の顔へと戻る。


『改めて、授業を始めます。相手はこの七振り。Aクラスは太刀、大太刀、薙刀、槍と相手を。Bクラスは短刀、脇差、打ち刀と相手をすること。最後にAクラスとBクラスで模擬試合をしていただきます。何か分からないことがあれば私に。では始め。』

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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/  
作成日時:2018年9月29日 22時

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