173 決着 ページ44
「なんで、俺を理解してくれないんだ、A。」
『何を理解しろと？』
「この時代の時の政府を殲滅出来れば、俺らが審神者となる未来は消え去る…そうすれば、あんな辛い思いもしなくて済む。俺らが不老不死になる事もない。」
『そんなの有り得ない。元々、私達が正しい歴史を変えなければいい話だったのよ。死を拒んだその報いを私達は受けているのよ、陸也。』
「なら、赤ん坊の内に命を絶った方がいいか？」
『それこそ不可能でしょ。我々には守護神がいる…彼らが死を許すとは到底思えない。』
ギリッと歯ぎしりする音が聞こえた。
Aではなく、陸也だ。
彼もまた彼なりに、何か方法は無いかと探っていたのだろう。
「ならば、俺はどうすればいい…？」
涙ぐんだ声をAは聞いた。
目を頑張って向ければ、涙で顔を歪めている彼を捉えた。
小さい頃から気丈で、ナルシストで、ちょっと横暴だった彼が、あの悲劇の日以来の泣き顔を見せた。
『りく、や？』
「お前は俺に巻き込まれたんだ…罪を被るのは俺だけでいい。なのに…お前を…ただ、あの時共に行動して、何も知らなかったのに…共犯になるのか？どうすればお前は救われる？」
『…君が救いたかったのは、凛や舞たちでしょ？何を今更言って…』
「ああ、確かに最初はそうだ。けど、お前が不老不死になったと知った時、俺は果てしない絶望を味わったよ。俺は人じゃないから、時間の概念が変わった…だが、お前は人だ。その果てしない時間がお前を壊すと思ったんだ。」
『敵の事を気にするなんて、お人好しね』
ああ、彼の心は人だったのか…相変わらず、優しい男だ。とAも静かに涙を流した。
これまでの行動、言動の意味をようやく理解できたA。
彼女を殺そうとしたのは事実。しかし、その裏を返せば彼女を殺すことで、生から解放させようとしていたのも事実。
『本当に私を助けたいと思うなら、君の魂を消失させてよ。そうすれば、私は自決するから。』
「嫌だね。お前の言う刀剣男士の様に、俺にも遡行軍という可愛い奴らがいるんだ…やっぱり、死ぬわけにはいかない。…矛盾してるけど、譲れないよ」
その言葉に、Aは声を出して笑った。
『…ああ、やっぱり世界って残酷ね…。私達はあくまでも対。思考すらそうなるように、仕組まれてるのかもね。』
ここまでくると、もはや愉快にすぎない。と笑うA。
その二人を見てコナンはひたすら冷や汗を流していた。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (
レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます！！！！ (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました！ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます！お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました（＾ν＾）ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです！いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年9月29日 22時
