158 言葉の意味 ページ29
『さぁ、大人しく投降しなさい。』
この実力差を見てもまだ観念しない雅は、再び印を組む。
だが、初代がそれを許すわけも無く、いつの間にか彼女の周りに群がる無数の蝶たち。
『何もしなければ、攻撃はしません。』
苦しそうに唇をかみしめて、手をプルプルと震わす彼女。
印を構えている腕を横へ払った刹那、雅の頬に一筋の傷が付いた。
ツゥーと赤い血液が滴り落ちる。
周りの蝶がしたのだ。それを、理解した彼女はペタリと地面に座り込んだ。
「…格が違う……」
ポツリと睦月が言葉をこぼす。
「…あんた、一体…何者なの」
『だから、第一本丸審神者よ。』
ここで、ようやく睦月がAを初代と呼ぶ意味を理解した。
第一本丸など、今の世代では有り得ないのだ。
一番年老いた審神者でも、第三千九百七十一本丸だ。
ならば、目の前に第一本丸の審神者だと名乗る彼女は、噂で聞いた生きる国宝…初代というのは本当の事なのか。
と今更ながら目を白黒させる雅。
『はぁ…全く。早く刀剣男士たちにかけた呪を解除しなさい。物吉たちが帰って来れないでしょう？』
虚ろな瞳で勢いよく頭を上下させ、両手を合わせる。
その数秒後に、目の前にはボロボロになった物吉と信濃が立ち、その後ろには刀剣男士たちが山積みになっていた。
「主様、お怪我はございませんか？」
『ええ、大丈夫よ。』
「大将が怪我するなんて、滅多にないもんね！」
『……ちょっと尺に触るな。』
腰が抜けていた睦月は、刀剣男士たちを目にしてゆっくりと立ち上がった。
けれど、触ろうにも触れない。そんなもどかしさを感じさせる。
『大丈夫よ。皆、洗脳は解けているはず。解けていなかったら私が強制的に解除しましょう。』
初代の言葉を聞いて、睦月は深くお辞儀をして刀剣男士たちの元と走っていった。
その姿を見届けたAはこの本丸のこんのすけを呼んだ。
『この本丸の権限を睦月へ。そして雅は速やかに政府へ連行しなさい。』
「承知しました。すぐさま取り掛かります。」
ペコリと頭を下げると、煙と共に消えたこんのすけ。
Aには一つ気になる事があった。
雅は恐らく、審神者育成校を卒業したのだろう。
そう思わせる雰囲気があった。
しかし、睦月にはそれが一切無かった。
全てに怯えていた。それは、まるで唯の一般人を連想させた。
極一部に、一般枠から審神者になる者もいるが彼女はその一般人なのだろうか。
それが気になっていた。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (
レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます！！！！ (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました！ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます！お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました（＾ν＾）ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです！いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年9月29日 22時
