147 退屈な神 ページ18
コナンが霧を抜けると、目の前に広がるのは足元から広がる長い階段。
後ろを振り向けば、あの神社がそびえ立つ。
戻ってこられたのか…と安心していると神社の屋根の上に人影が目に映る。
白銀の髪に平安時代の様な服装に、天女の羽衣よのうなものが風になびいている。
足を組み頬杖をするが、美しい銀の瞳が退屈そうに街を見下ろしている。
綺麗な女の人だと思うのと同時に、人ならざるものだと悟った。
当の本人は、コナンの視線に気づいたようで視線が噛み合うと、頬杖をやめて珍妙な物を見たような顔をする。
「…なんだ貴様。我が視えるのか。」
「その声…」
コナンには聞き覚えのある声だった。
行きに聞いた美しいあの声だ。
「ああ、よく見れば先程通った童か。」
そう言うと今度はどこか面白そうに、微笑みコナンを見つめる。
「…先程という事は、時間は経っていないのですね？」
「ああ、そうだ。」
一番気にかけていた事を確認し終えると、正確な時間を思い出そうと顎に手をつくコナン。
その姿に彼女は不服そうに眉をひそめる。
「貴様、我が何か聞かんのか？」
その問いかけにコナンは顔を上げ、不思議そうに頭を傾ける。
「加州さんがあの土地神…って言ってたのと、屋根の上、自分が視えるのか？となればこの社に祀られる神でしょう？」
「……ちっ…つまらぬ童がいたものだ。」
コナンの冷静かつ正確な言葉がお気に召さなかったのか、かの神は舌打ちをしたかと思うと眉を吊り上げ再び街を見下ろす。
だが、次の刹那何かを思い出したか、再びコナンを見据えると、口角を上げた。
「行きは我が視えず、帰りは視えるときた。貴様、向こうで何か
「……毎食頂いてましたけど」
「成程。あの審神者、そこまで気が回らんかったか。まぁ我には関係の無い事。」
「どういうことですか？」
訳の分からない事にコナンは彼女に問う。
「神の作りし物には霊力が籠る。それを唯の人が喰らえば、凡人よりかはよく
「つまり、Aさんのように人ならざるものが視えるようになったと？」
「安心しろ。一時だ。神と人の一時の意味は違うだろうがな。だが、心せよ。視る事は出来ても、祓う事は出来ん。」
彼女はコナンの懐の札を指さす。
「それの使い所を間違えないことだ。」
それを言うとしっしと手を払いながらコナンに早く立ち去れと言うのだった。
彼はお辞儀をしてその場を去る。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (
レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます！！！！ (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました！ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます！お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました（＾ν＾）ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです！いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年9月29日 22時
