130 再始動 ページ1
『とまあ、こんな感じかな。』
隣りのコナン君を見れば、うっすらと瞳に涙を浮かべていた。
『重かったよね!!ごめんね。君が泣く必要なんてないのに。』
あたふたと慌てながら懐のハンカチでその涙をぬぐうと、コナン君は私に話しかけた。
「なんで、Aさんはそんなに明るくいられるの?」
『君には私が明るく見えるんだね。』
「うん、普通の十八のお姉さんに見えるよ?」
『...そっか。ありがとう。なんで明るくいられるのか...かぁ。そうだなぁ...もう諦めかけているからかな。』
「死ぬことを?」
頭を傾けて私に問う彼に、うん。と頷けば苦しそうな顔を向けられる。
『案外吹っ切れてしまえば楽なものよ?そりゃあ、当時は荒れたよ?首つったり、腕斬ったり、入す』
「ストップストップ!!」
両手を私の口に当てて喋るのを阻止する彼。
子供相手に過激なことを言ってしまっただろうか。と考えるが、元々この子は十七歳で殺人事件にホイホイと顔を出している子供だ。
そんな子にちょっとエグいような事を言っても大丈夫に決まっている。に収まった。
「今はもう、してないよね?」
ゆっくりと離れた手を握りしめて、笑顔を浮かべる。
『あからさまにはね。』
「え。」
『隠れてって意味じゃなくて、どさくさに紛れてって意味。』
「それって事故死に見せかけるってこと?」
『そうそう。最近はみせかけ事故死に......ん?』
コナン君の声じゃなかった事に気づくが時すでに遅し。
「ふーん、主は俺たちを置いて死ぬわけ。」
ギギギと人形のように頭を後ろに向ければ、二人分の夕飯を両手に抱えて持ってきていた清光がそこに立っていた。
『...というのは冗談で...』
「へー。じゃあこの夕飯要らないね。」
『いやいやいや!なぜそうなるかな!?』
ついでに三日月の爺さんにも言っとく。と言いながら私の分だけ持って逃走する清光。
それを追いかける私。
三日月に告げ口なんてされたら、二十四時間付きまとわれる。あの爺に。
前科四あるあらな、あのじいさん!!
なんとしてでも阻止せねば!!と清光をひたすら追いかける。
『ちょっ!清光待って!!』
「待ってって言われて止まるバカはいなよ!」
『それ何のアニメの影響か主凄く気になるから、一回止まって話しようよ!!』
「やーだね!!」
わーぎゃー言いながらコナン君から遠ざかっていく私達を、そのコナン君があきれ顔で笑っていたのはまた別の話だ。
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Aqours?(プロフ) - 素晴しい小説を有難う御座います。本当にストーリーの構成やキャラクターの発言において全て読みやすいうえに解釈一致でした…改めて素晴しい作品を有難う御座いました。 (2023年5月1日 3時) (レス) id: f32673621d (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいましたw素晴らしい小説を作っていただきありがとうございます!!!! (2022年12月20日 12時) (レス) @page48 id: 3ad15612f6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - 1話から一気読みして来ました!ホントに面白くて時間をいつの間にか忘れるほどでした(笑)このような素晴らしい小説を作っていただき読まさていただきありがとうございます。完結おめでとうとございます!お疲れさまでした!! (2021年12月1日 19時) (レス) @page48 id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんは☆初めましてm(_ _)m刀剣乱舞アニメやゲーム大好きでコナンとのコラボ短編を含め全て読ませて頂きました(^ν^)ただ全体的に所々ではありますが誤字脱字が御座いましたので^^;御報告させて頂きますね。それではこれからも応援しております( ´ ▽ ` ) (2020年2月22日 19時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 雪羅さんお久しぶりです!いつも暖かいコメントありがとうございます。中々更新できませんが、これからもよろしくお願いします。更新頑張ります(^-^) (2019年8月21日 20時) (レス) id: 061be1d3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年9月29日 22時