89 審神者 ページ10
扉を開けたのは政府の人で、ついに初期刀を選び審神者となる時間になったようだ。...殆ど話し合いは進まなかったけれど。
とある部屋に通されれば目の前には、綺麗に並べられた五つの刀。
加州清光、山姥切国広、蜂須賀虎徹、陸奥守吉行、歌仙兼定
「審神者となる」この選択がこれから、私達を苦しめる事になるとは思ってもいなかった。
「では、それぞれお決めになった刀の前へお進みください。」
『なんだ、もう皆申請してたんだ。』
「知らないのはAくらいだよ。」
『みずくさいなぁ...』
最初からこの五振りが初期刀に決まっていたわけではない。
私達は数ある刀剣から一振り選んだに過ぎなかった。けれど、後にこの五振りが正式に初期刀として登録されることになる。
「どうぞ、顕現してください。」
そう言われるが早く、夏樹が陸奥守に手を伸ばす。
掴んだところから眩しい光が溢れ出す。
「せっかち」
ポツリと舞が呟いたが、私と陸也と凛は微笑しながらもそれぞれの刀に手を添える。
陸也は山姥切国広、凛は歌仙兼定、そして、私は加州に。
それぞれが特有の色の光を放つ。
次に見えたのは、桜が散る中私を捉える赤い瞳に整った顔。
私と目が合うと、頭をかきながら軽く笑い一歩前に進み私に近づく。
「あー。川の下の子です。加州清光。扱いづらいけど、性能はいい感じってね」
余りにも綺麗なその声や表情に思わず息が詰まり固まる。
はっと我に返り、手を差し出す。
『初めまして。これから貴方の主になります。Aです。』
「うん、よろしく。」
その手をぎゅっと握り返してくれて思わず笑みがこぼれる。
辺りを見れば、陸奥守に抱き着いている夏樹に戸惑うその彼。
顔を隠して顔をそらしている山姥切にあたふたと戸惑っている陸也。
金色に目を輝かせている舞に胸を張る蜂須賀。
私と同様に平和に手を握り合っている凛と歌仙。
その光景にも微笑んでしまう。
すると、政府の方から各本丸の整備が完了したと言われその本丸にそれぞれ向かおうとする中、目の前にもくもくと煙が立ち込めた。
それに驚いている中、各初期刀が審神者の前に出て刀に手をかけ、緊張感が走る。
だが、初期刀達の間が抜けた声でその緊張感は失われていく。
「狐？」
陸也の声に私が加州の背から覗いてみれば、モフモフとした狐が五匹そこにいた。
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朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！中々更新できずに申し訳ないです(;´･ω･)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (
レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます！安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます！！更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます！！すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年8月10日 14時
