87 名前 ページ8
背のない椅子に座ってた私が後ろに倒れてくなんて知らずに、彼女は両手で顔を隠し言葉とは嬉しそうにデレデレと口元を緩める。
『し、死ぬ...』
「...あそこにもバカがいたわね。」
横目で倒れた私を見る舞と目が合う。
「あーあ。」
と膝に肘を乗せて片手だけ顎に乗せて見下ろす陸也が愉快と言いたそうな目で、私を見つめる。
流石、格闘術においてこの五人の中で群を抜いてトップの凛。あの愛らしさを裏切るような右ストレートだった。毎日のように可愛いという夏樹を殴っているだけ技のキレが半端ない。
「ん?どうしたの、A。椅子から落ちて鳩尾抱えて。」
それでもってこの瞬時にして自分のやったことを忘れる能力。御見それします...
なんとか這い上がり再び椅子に座りなおす。
『そ、それで陸也はどうするの?』
「俺?俺も凛を見習って陸って名乗ろうかな。」
「えぇっ。別に真似しなくていいのに...」
「俺も院長先生から貰った名前を変えたくねぇんだよ。」
それに、陸って陸也よりかっこよくね?と言う彼に私と凛はジト目で返す。
「な、なんだよその反応...」
「べーつーにー?」
『私は可愛くりっくんって呼んであげるよ。』
「おい、それじゃあ俺のかっこよさが曇るだろ!」
『凛』
「はいはーい」
「ちょ、凛、待てって!!...うげぇぇっ」
笑顔を張り付けたままの凛がまたもや綺麗な右ストレートが、陸也の鳩尾にもろに入って勢いよく後ろに落ちていく。
「お、お前ら...理不尽...す、ぎる...」
『君は最近発現したそのナルシスト思考を治すべきよ。』
「そーそー!」
「なんでここはバカしかいないのかしら...」
「んだと、舞...」
すると、いきなりはい!と夏樹が手を挙げた。
何事かと皆してそっちを見る。
「あたしの審神者の名前思いついたから聞いてほしい!」
『うん、どうぞ?』
この時全員がものすごく嫌な予感がすると思っていた。
「私の名前は夏樹だから、夏夏ココナッツみかんってどうよ!」
予想の斜め上をいく回答に全員があんぐりと口を開ける。舞に至っては持っていた本をポロリと下に落とした。
「お!この反応はいい感じ?」
「これは凄いわね。バカがついに折り紙付きのバカになったわ。」
「それどういう意味よー!舞!」
「どう考えたってバカでしょ?毎回政府の人たちに夏夏ココナッツみかんって呼ばれるつもり?」
数秒考えてああああ!!と頭を抱える夏樹に本日何回目かの舞の溜息が漏れた。
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朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます!中々更新できずに申し訳ないです(;´・ω・)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます!安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます!!これからも頑張ってください!応援してます! (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます!!更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください! (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます!!すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります! (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作者ホームページ:http://fblg.jp/510814/
作成日時:2018年8月10日 14時