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＿＿諦めるな
誰かが言って消えていった。
そうだ。まだ私は生きている。彼をなんとしてでも止めなければ皆は救われない。
折れる音が鳴りやまない中、私の足を掴んでいる彼の手を両手で強く掴み、気を取られているうちに、頭を揺らし思いっきり頭突きをおみまいする。
頭から血を流し苦痛の色を見せる彼に追い打ちをかけるべく、呪を唱える。
私の頭からも血が流れ目にかかり視界が赤くなるが関係ない。
何をしようとしているのか察した彼は私の腕から逃れようと抵抗するが、私は爪を立てるようにして決して離さない。
『...
彼の腕を掴んだところから四方八方に向けて、亀裂のように赤い線がくねくねと走っていく。
それを見た陸也は慌てて対抗して呪を唱えようとするが、少し遅かった。
『＿光あれ』
最後の言葉を発した直後、私達を光が包み辺りが見えなくなった。
目を開けば、肩から手のひらにかけて赤黒く変色した腕に、吐血したのか口の端に血が垂れている。
大きな呪だった分、体への反動も大きく肩で息をすれば掴んだ手が緩んだ。
その隙に後ろに跳躍し、私から距離をとる陸也。
赤黒く張れたその腕は力なく垂れさがっている。
当の私は、情けないほどに体に力が入らず地面に手を着き、倒れこまないように両手で体を支えるのに必死だった。
心臓の鼓動も尋常じゃないくらい早く脈打ち、冷や汗が背中を伝う。
「...くそがっ」
思っていた以上にダメージを与えられなかった事に悔しくて唇を噛む。
「やってくれたな、A。」
赤黒い手が一ミリも自身で動かしていない姿を見て、その手を使い物にならないようにしたのは成功したようだ。
これで、これ以上の援軍を呼ぶことは不可能。
かといって、私は直ちに戦闘に移れる状態ではない。
それを彼は知っている。仕掛けてくるなら今だろう。
私の渾身の一撃を咄嗟にあの腕だけに抑えるのは流石の一言に尽きる。
「...頼むから、邪魔するなよ。」
一瞬だが、前髪の隙間から見えた彼の瞳は憎悪ではなく、深い悲しみの色が見えた。
どういう事だと考えているうちに、地面に叩きつけられる私の体。
内臓が口から出そうなのと、指一本も動かせない事を考えるにまた重力系の呪なのだろう。
重圧に耐えていれば、こちらに近づいてくる足音。
今度こそ絶体絶命だ。
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朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！中々更新できずに申し訳ないです(;´･ω･)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (
レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます！安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます！！更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます！！すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年8月10日 14時
