119 危機一髪 ページ40
「第一、俺に対抗できるのは審神者だけだ。なら、後々脅威になる奴らを殺して何が悪い？」
確かに、彼がいう事は合理的な判断だ。
私だって彼と同じ立場なら同じことをすると思う。
『...そう。』
「だから、お前も＿＿＿邪魔」
顔を伏せた一瞬を取られ、目の前には既に振り下ろされている刃。
＿＿避けられない
せめて、完璧に入らぬようにと後ろに思いっきり体重をかけるが、陸也はそれを見越していたのかグイッと距離を縮める。
「じゃあな。」
彼の歪んだ顔を見て、胸が締め付けられる。
あんなに笑顔が素敵な彼がこんな顔をしている。
それをさせたのは誰だ？
ああ、この世界の運命ってやつだ。
今だけ、今だけ神様を恨みそうだ。
もうだめだと、目をぎゅっとつぶった瞬間肉が裂ける音がした。
しかし、いつになっても痛みは伝わって来ることはなく恐る恐る目を明ければ、目の前で陸也の刀を素手で掴んでいる＿＿私の初期刀。
「っ...てめっ」
『きよ...み...つ』
「流石にはっつけたような顔も歪むのね。」
清光は刀を掴んでいることをいいことに、一気に引き寄せて陸也の腹に彼のハイヒールで力強く蹴りを入れた。
陸也の手から刀が離れ、彼は遠くに飛んでいき地面に転がった。
清光は手に持った太刀を自身の刀で半分に折り、地面に捨てた。
その手からは鮮血がポタポタと流れ落ち、背中には深々と右肩から左腰に掛けて切られた跡がついていて、彼の正装が真っ赤に染まっている。
『き...よみ......つ』
「大丈夫だよ、主。...まだお守りがあるから。」
私を守るように前に立ち、刀を構える姿に涙がジワリと眼のふちを濡らす。
それを着物の裾でぬぐい、飛んで行った陸也を捉える。
その本人は痛ってぇと言いながら腰をさすり、起き上がった。
陸也に気づかれないように清光の背に手を近づけ、その酷い傷の止血をする。
「あー、そう来る？まさかお前の初期等が乱入してくるのは予想外だったよ。」
頭をかきながら、鋭い目つきで俺の遡行軍たちはどうなった？と聞く彼
「俺がここに来た時点で大体は察してんじゃない？」
「へぇ、中々やるじゃねぇか。」
すると、彼が両の手を合わせようとする。
『あれをやらせないでっ！！』
私が叫ぶと、清光は一瞬で間合いを詰め陸也は舌打ちをしながら手を遠ざけ、清光の斬撃から逃げるので手一杯のようだ。
ここで増援なんて呼ばれたらたまったもんじゃない。そう思いながら本丸に結界を張り巡らせた。
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朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！中々更新できずに申し訳ないです(;´･ω･)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (
レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます！安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます！！更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます！！すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年8月10日 14時
