83 質問 ページ4
政府の施設に私達以外に子供はいなくて、待遇は気に食わないほど良かった。
施設で暮らすのに慣れてきたころ、政府に動きがあった。
私達五人は一人一人個別の部屋に通された。目の前には椅子に座り、机に肘をつけながらもにっこりと笑う男の人。隣にはバインダーを抱えて持っている女の人が立っていた。
「三条Aちゃんだね？」
『...はい。』
「ああ、そんな怯えないで？椅子に座っておじさんの話を聞いてくれるかい？」
コクコクと頷けば、嬉しそうににっこりと笑い隣の女性から何かを受けとりそれを眺める。
「今から何年後かに歴史を変えようとする悪い奴らが現れるんだ。」
『悪い奴ら？』
「うん。Aちゃん達の楽しかった思い出が全部無くなってしまうかもしれないんだ。そんなのは嫌だろう？」
『やだ！』
「だよね。そんな事にならないために、おじさんに協力してくれないかい？」
『...私にも、出来ることですか？』
「ああ。もちろんだよ。」
『ならやります！！』
「そう言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう。」
今思えば、私達をバラバラにしたのは人間の集団的真理を恐れたかもしれない。仮に一人が疑問を持ったり不安を感じればそれは全員に伝染する。もしも一人が嫌だ。と言えば全員が嫌だと言うだろう。
まあ、相手は子供だしそこまで警戒する必要は無かったのではないかと思うけれど。
他の四人も同じ返事をしたそうだが、陸也だけに関しては即答ではなくしばしばの沈黙があったそうだ。
目を瞑るように指示があり、次の目を開けるように言われたときに二人の後ろには新たに二人別の人が立っていた。目を瞑っている時に入ってきたんだろうと思っていると
「ではAちゃん、僕の後ろには何人立っているか言ってくれるかい？」
『二人です。』
私の回答に瞳に一瞬だが動揺の色が移るのを私は見逃さなかった。
その答えを紙に書き写している女性。記録係だろうか。
「じゃあ、二人の詳しい見た目を教えてくれるかい？服とか髪型とかを。気づいたことがあれば沢山言ってくれればいいよ？」
私は遠慮せずに端の人から事細かく伝えた。
その内容に目を丸くしていたのをよく覚えている。
確かに、今の私から見れば異常だったのだ。普通の視力では到底見えないような模様を、ペンを貸してもらい紙に描いたりしていたのだから。
それを見て政府の人は満足そうに笑っていた。
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朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！中々更新できずに申し訳ないです(;´･ω･)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (
レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます！安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます！！更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます！！すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年8月10日 14時
