106 可笑しい ページ27
あれから一年...特に遡行軍の姿は現れず、平和な日々が過ぎていた。
審神者の皆は、まだその時ではないんだ。なら、力を蓄えなければと息巻いていた。
けれど、私は違った。
あまりにも遅すぎる。
一年前のあの襲撃から一度も姿を現さないだなんて、何か企んでいるに違いない。と秘密裏に調査をしていた。
だが、遡行軍の影すら掴めなかった。
まさか、遡行軍だなんて存在しないのでは？なんてあらぬことを思うようになった。
第一、時の政府は何をもって時間遡行軍の存在を知ったのか。
一度も現れない敵をどうやって認識した？
なぜその対策として審神者が最善策だと知っていた？
なぜ、刀の付喪神を利用するのだ？
なぜ...なぜ......
次第に焦る私の心。
その姿を見た本丸の皆はとても心配してくれた。
こんなに一人で地道に調査しているのでは埒が明かないと思い、政府に赴くことにした。
あそこなら何かしらの情報を蓄えているかもしれない。と思ったからだ。
早急に準備を整え、政府の正装を身に纏い清光を連れた。
去年のような惨劇が起こった場合を考慮し、結界は五重にして、本丸の門や入り口を全て閉じ、外の世界と繋げていたものを全て遮断して出かけた。
「...気合が入ってるね、主」
『念には念をよ。』
完全に遮断されていることを確認した後、特定の場所から転移される。
眩しさに目を瞑り、目を開ければそこは見覚えのある建物が目の前に現れた。
入り口の厳重な扉の横のセキュリティーに手をかざせば、機械が勝手に指紋を読み込み扉が開いた。
「まずは何処に行くの？」
『第一資料庫。あそこにあると思う。』
予測で言った言葉に清光は眉をひそめ、苦笑いする。
「...主、まさかだとは思うけど...許可は取ってるんだよね？」
『え？取ってるわけないじゃない。』
「やっぱり...」
溜息をつきながら、どうなっても知らないからね。と言う。
それでもついてきてくれる彼に感謝が尽きない。
まあ、なんだかんだでどうにかなってしまうのがこの職だ。
第一、政府内は刀剣男子が誰でも見える仕組みになっている。
つまり、彼を見ただけで私が審神者だと認識して大体の大人は態度が一変する。
便利この上ない。
何だかんだで目的地に到着した。
何人かとすれ違ったが、清光を見るや否や頭を下げてきた。
誰も私がここにいること自体を疑いなどしない。
『さあ、探しましょうか。』
目の前の大量の本棚と本の量に清光は顔が青くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1199人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朧月(プロフ) - リディア94さん» コメントありがとうございます！中々更新できずに申し訳ないです(;´･ω･)この続編で安室さんとの絡みを考えていますので、今しばらくお待ちください (2018年9月29日 16時) (
レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - 大好きすぎて更新されたらすぐ読んでます！安室さんとの絡みがもっと増えることに期待してます！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月29日 13時) (レス) id: 4cfe601cb3 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 桜さん» 暖かいコメントありがとうございます！！更新頑張りますね(*'▽') (2018年9月15日 19時) (レス) id: 8de05b0df6 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とても面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年9月15日 0時) (レス) id: 745df45fe1 (このIDを非表示/違反報告)
朧月(プロフ) - 雪羅さん» 最初から読んでくださって...ありがとうございます！！すごく嬉しいコメントを...これからも頑張ります！ (2018年9月4日 0時) (レス) id: 2c921dc331 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朧月 | 作者ホームページ：http://fblg.jp/510814/
作成日時：2018年8月10日 14時
