Ep.224_苦労�� ページ30
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「＿＿いっ、たぁ……」
耳鳴りがして頭を抑える。暗くなっていく視界の中、周囲に人がいないことを確認してからうずくまった。耳鳴りと同時にびりびりと手足の痺れが止まらない。"大丈夫"だと落ち着かせるように何度も深呼吸をすると、しばらくして耳鳴りと手足の痺れは治まった。
(みんなの前では、ステージの上では完璧でいなきゃ)
にっこりと口角を上げる。ガラスに映った自分の笑顔を見て、上手く笑えてることに安堵して立ち上がる。
(こっちって確か『亀甲船』の練習室だよね？)
練習室に戻ろうと廊下を歩いていると、扉が閉まる音と遠くなっていく足音が耳に入った。何となく嫌な予感がして音のした方へ向かう。
「亀甲船」、そう書いてある扉の前まで来て、中の様子を探ろうと耳を傾ける。しかし、人がいる気配はあるのに何の音もしない。嫌な静けさだった。小さく息をついてから、意を決して扉をノックした。
ｼﾞｪｳｫﾝ「ジニョギヒョン！……あ、Aヒョン……」
「お疲れ様。突然ごめんね」
勢いよく開かれた扉に驚きながらも、微笑みかける。
みんなが私を見て落胆したような、ばつの悪そうな顔をしたこと。この部屋にジニョクヒョンだけがいないこと＿＿それらで全てを察する。私の心配していたことが起きたようだ。やっぱり代表に頼んでも根本的なことは解決しないのか、ため息をつきそうになるのを我慢してみんなの顔を見る。
「……みんなはどうしてジニョギヒョンが出て行ったか分かる？」
優しく問いかける。みんなは驚きながらもすぐに頷いた。
「分かってるなら良い。でも、これだけは言わせて。ジニョギヒョンはトレーナーじゃない。ひとりの練習生で、みんなと同じように脱落するかしないかの瀬戸際にいるの」
私の言葉にハッとしたような顔をするみんな。きっと、今まで頼りきっていたからジニョクヒョンが自分たちと同じ立場であることを忘れてしまっていたのだろう。
「だから、ジニョギヒョンの気持ちも分かって欲しい。私もみんなが全く努力してないとは思ってないから」
ﾕｼﾞﾝ「はい……ごめんなさい……」
「謝るのは私じゃなくてジニョギヒョンにだよ。私が連れてくるからちゃんと話してね。チームなんだから」
ﾋﾟｯｸ「ありがとうございます、Aヒョン」
気にしないで、泣きそうな顔で首を縦に振るみんなの頭を撫でてから部屋から出た。
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カナル式(プロフ) - 弟丸。さん» コメントありがとうございます。更新待っていただき有難いです。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2021年2月26日 20時) (
レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
弟丸。(プロフ) - 久しぶりの更新とてもうれしいです！続編も楽しみにしています^^ (2021年2月26日 13時) (レス) id: 6fd7fc297b (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - 菜の花のからしあえさん» 返信遅れて申し訳ありません> < ありがとうございます！ 更新頑張ります！ (2021年2月26日 1時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
菜の花のからしあえ(プロフ) - すごく面白いです！続き待ってます！更新頑張ってください！！ (2020年12月29日 10時) (レス) id: eb3cbc1812 (このIDを非表示/違反報告)
カナル式(プロフ) - 鷹の翼さん» コメントありがとうございます！ 本当に嬉しいです。更新頑張るのでこれからもよろしくお願いいたします(^ ^) (2020年8月8日 9時) (レス) id: 0d79bc4d43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カナル式 | 作成日時：2020年7月12日 0時
