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『翔ちゃん』
彼女に点滴をして、
少しだるさがなくなった彼女が
起きてリビングまで来て
「ん？隣においで、ほら」
大人しくちょこんってすわった
『いないから探しに来たの』
「そっか、ごめんな」
『ううん、いいの、大丈夫だよ』
「かなでごめんね」
『いーの、大丈夫だよ』
「大丈夫じゃなかったぞ、見た時はな。」
『んふふ。ごめんなさい 言わなくて』
「言ってくれたら良かったのに」
『どうせ、翔ちゃんの事だから急患でも入って帰り遅くなるかなって思ってたの』
「あたりだよ、かなで笑」
『でしょ？何でも知ってるの』
「あぁ、そうだな、俺もお前のこと知ってるよ」
『んふふ』
「すぐ無理して、自分のことはお構い無しに人のことばっかり。」
『そうだね、よく知ってるね』
「心配症なくせに、心配事は沢山かけて」
『うん。』
「一人じゃ何も出来ないのに、全部一人でやろうとして、失敗して、泣いて」
『うるさいよ、翔ちゃん』
「泣いて、助け求めて、転んで、また泣いて」
『もーうるさい！』
「でもそうなる度にかなでは強くなってって」
『…ｸﾞｽﾝ』
「強くなってすごいよ、ほんとに。でも俺は、甘えん坊なかなでもすきだよ」
『うるさいって…ｸﾞｽﾝ』
「泣いてるくせになんだよ、。でもな、強くなったんだよほんとに。でも、でもなんだよかなで。」
『…？』
「強がるふりなんてしなくていいんだよ」
『なによ…分かってたんだ…』
「きずかないわけねーだろ」
『気づかれてないと思って、すごい頑張ったのに』
「気づいてる」
『ごめんなさいほんとに』
「俺もゴメンな」
『お互い様ね、翔ちゃん』
「あぁ」
『じゃあ翔ちゃん、今甘えてもいい？』
「うん？なに？」
『すっごいぐあいわるい…。』
「あぁ、点滴もう切れてきたか」
『一緒にベットで寝よ？？』
「そーだな、二人で寝よっか」
『うん、そばにいてね』
「わかってますよ」
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作者名：美翼紀 | 作成日時：2017年1月13日 0時
