4 ページ5
.
次の日、沢山の生徒に埋もれながら登校するA。
今は部活に入ってないため、朝は比較的ゆっくりとできる。
今日も、少し遅めに起きてしっかりと朝ごはんを食べてきた。
「おはよう!」
『あ!おはようございます』
1人の教師が門の所で生徒に声を掛けている。
無視する生徒もいる中、Aはしっかりと挨拶を返す。
「うんうん、いい声だ。ところで、君は部活に入っているのかい?」
『いえ、入ってないです』
「そうかそうか!では、吹奏楽部はどうかな?」
吹奏楽に入ろうかと迷っていたAにとってはありがたかったが、入部前に部の雰囲気などを知りたかったため、見学なら、と返事をして教室へと向かった。
その後、授業を受け放課後に。田中くんや、クラスメイトにまた明日と言い、Aは吹奏楽部が居るであろう音楽室へ行く。
『あった、音楽室…なんかうるさいけど…』
音楽室から"やめろ"コールが聞える。そこに、先生達が来て何やら言っているようだ。
音楽室は目の前にあるのだか、行くか少し戸惑ってると、昨日会った不良くんが出てきた。
「よう」
「Aちゃん、こんなとこで立ち止まってどうしたの?」
『音楽室に…』
「今行ってもゴチャゴチャしてるだけだぞ」
「裕人の言う通り。明日にしたら?」
「お前、吹奏楽入るのか?」
音楽室から出てきたからイライラしてるのかと思えば、案外普通に話してくれる2人。
『まだ決定ではないけどね』
「へぇー」
「裕人、もう行こ?」
「じゃーな、A」
「バイバイ、Aちゃん」
2人の顔が少し曇ったような気がした。気のせいかもしれないけど、何処か悲しそうな顔にも見えた。何かあったのかもしれないと思ったが、探ったところで、あの2人は嫌がるかもしれないため、あまり気にとめなかった。
『…2人とも名前呼びだったな』
最近のイケメンは異性に対しても名前呼びが普通なんだろうか…
そう思いながら、一度は帰ろうかと思ったが、ここまで来たのだから顔ぐらいは出そうと思い、音楽室のドアを開けた。
そこには、朝の先生と、この学校へ来て、初めて話した女の子、有馬渚ちゃんがいた。
もともと吹奏楽部だったことを伝えると、2人とも眼が輝きはじめ、あっという間に入部届けを書かされた。
こうして、Aは吹奏楽部員となった。
.
149人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい - とっても面白かったです! 私もフルートやってて、すごい読んでて楽しかったです。 (2016年8月23日 17時) (レス) id: 3f79c1fb6b (このIDを非表示/違反報告)
莉乃推し勝利担 - まさに私の憧れストーリーです。私は、トランペットを中学生からやっているからどうしても自分も世界に入ってみたくなる。更新楽しみにしてます。 (2016年7月30日 0時) (レス) id: 51208d69f4 (このIDを非表示/違反報告)
チロル(プロフ) - 小説内のオリジナルキャラが出てきてとても驚きました。今後田中くんがどのように関わってくるかドキドキします。更新頑張ってください!!後、オリフラ外した方がいいと思います!! (2016年7月27日 6時) (レス) id: ad3e95e003 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凪 | 作成日時:2016年7月26日 22時