普通の転校生

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〜美崎高校〜


今日からAが通う高校だ。

両親の仕事の都合でこの春から通うことになっている。
前の高校は関西だったため、この高校の評判などは知らずに今日まで来たのだが、


『荒れてそうだな…』


すれ違う生徒は髪を染めていたり、ピアスを開けていたり…
前の高校は田舎ということもあり、その様な見た目の生徒はほとんどいなかった。

そのため、Aは


『先に調べといた方が良かったかな…』


不安な気持ちを隠しきれてない表情のまま、職員室へと向かう。
しかし、春休みに一度、両親と共に校舎を見に訪れたきりここへは来ていなかったため、職員室の場所も把握できておらず、誰かに声をかけようか迷っていると


「どうしたの？」


後ろから声が掛かった。
振り向くとそこに居たのは、黒髪が似合う可愛い女の子だった。


『しょ、職員室の場所が分からなくて…』


「職員室なら、この廊下を真っ直ぐ行って右に曲がった所だよ！見たことない顔だし、先生が言ってた転校生？」


『(もう少しだったのか！)そうそう。はじめまして！竹内Aです。』


「有馬渚です。よろしくね！」


『こちらこそ、よろしく！職員室の場所もありがとね！』


「いえいえ、全然！っあ、もうこんな時間か！じゃあ、もう行くね！」


『うん！』


彼女は時計を見て焦ったように走って行った。
残されたAは先ほど教えてもらった職員室へと向かう。

可愛いくて、話しやすい子だったな。同じクラスになれるといいけど…



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