不運 ページ1
私は昔から不運なやつだった。
卵料理に自分だけ殻が入ってたり、
観覧車に乗ってたらいきなり止まったり、
推しのグッズをまるごと失くしたり、まぁこれはマジで泣いた。
こんなかんじで挙げだしたらきりがない。
そんな私の唯一の心の支えはアニメだった。
今はヒロアカにはまっていた。
だが、私はアニメ派だったのでアニメ化されていないところは知らないのだ。
しかも私は漫画を買うなら絶対全巻じゃなきや嫌だというめんどくさい意地かあった。
だが、漫画を全巻買うという勇気もなかったし、まず金がなかった！
だが、大学4年生。
ついに大学を卒業し、就職が決まったのだ！
まぁ、こんなときぐらい、と思いヒロアカ全巻買うということをした。
そして本屋で買い、浮かれたまま道路に出た。
「危ないっ！！」
そんな声が聞こえたとき体に激痛が走った。
「車にひかれた！」
「誰か救急車をよべ！」
そんな声が聞こえる。
悲鳴も聞こえる。
子供の泣き声も。
最後まで神様は意地悪だ。
死ぬんならヒロアカ読んでからにしてよ！
読み終わったんなら体バラバラにしようがぺちゃんこにしようがどうしてもいいけどさ！
あ、ぺちゃんこはやだわ。
キモすぎる...
もーやだ！神様なんていないじゃん！
あーなんか寺の人とかがかわいそうに思えてきたわ。
うわー。
あー目の前にヒロアカ全巻あるというのに！
なんか眠くなってきたわ。
あ、死ぬのか私。
さようなら〜〜地球の今生きてるみなさん！
そう呑気なことを考えながら私の意識は飛んだ。
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作者名：リカオン | 作成日時：2021年3月3日 15時
