好きだよ ページ27
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「立香〜マシュから聞いて来た…よ？！なんで泣いてるの？！誰に泣かされた！！！！」
「うるさい。」
病室に突如現れた父の声が響く。
私は鼻水をすする。
苦しい。
「お父さんに言いなさい！誰だ！誰に泣かされた！」
「……先生。私のこと、嫌いになったみたい。」
「よし、殺してくる。」
「待て待て待て。ちょっと話聞いてよ。」
私は父を引っ張る。
お父さんなら、私の気持ち分かるかな。
「私…ここまであの人の事好きだったなんて知らなかった。」
「マジで？自覚なかったってこと？あんなことした時点で相当愛してると思ったけど。あれはリスクが大きいからね。」
あんなこと……
黒霧を白雲さんに戻したこと。一歩間違えれば危なかった。
けど、私はやったんだ。あの人のために。
「あの人には笑ってほしいんだ。泣き顔なんて似合わない。」
「それは立香もでしょ。」
ハンカチで涙を拭き取られる。
そんな時だった。病室のドアが勢いよく開いた。
そこには息を切らした先生が立っていた。
「おっと、君を泣かせた張本人が来たよ。」
父は病室を出ていった。先生とすれ違う際、何かを言っているようだった。
静かに病室の扉が閉まる。
私はそっと、目線をそらす。が。
ガバっと抱きしめられる。
「すまん、立香……。」
その手は震えていた。
「例え除籍になったとしても、俺はお前を嫌いにはならない。すまん、勘違いさせて……。」
「私…自分が思っている以上に先生の事、好きみたいなんです……。白雲さんに変に嫉妬してましたけど、それは全部嘘で…もう……私の事……。」
言葉が詰まった。
涙は流したくない。けど、今にでも…溢れてしまいそう。
「ずっと一緒だと約束しただろ。立香を離したりしない。好きだ。」
「っう……。私…もっ……うっぅ……」
強く強く…私は抱き締められた。
好きだよ、先生。
誰よりも好き。一番好きだから。
だから…もう……不安にさせないでよ……
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作者名：マリア | 作成日時：2022年10月21日 20時
