お前は良い人すぎる ページ22
真っ白い世界で目覚める。まさか、天の衣に呼ばれたのか？
すると、体が動かないことに気づく。
拘束されてる。あぁ、そういうことか。
魔力は使えるな。
私は拘束具を外す。
部屋には誰もいない。けど、監視カメラが一台。いゃ、観葉植物のところにもう一台。
一体どこなんだ、ここは。
スマホは取られているようで、自分の能力を使うしかない。
「まじかぁ……。」
あの刑務所にいるのかよ。完全にヴィラン扱いか。
まぁ、やったことがやったことだしね。
まずは、ここを出ないと。そして…白雲さんを救出しなきゃ。
「まさか、拘束具を外したのかい……？」
声の主はもう聞き飽きたぐらい聞いた人、父親。
とても驚いている様子だ。
魔力を封じなかった貴方が悪いのでは？と、私は呆れた顔をする。
さて、この父をどうするか。
「流石にここから立香を出すことは出来ない。君はやってはいけない事をした。」
「分かってるよ。けど、行かなくちゃ。もう彼は……。」
魔力と魔力がぶつかる。
流石父。戦う前にフィールドを展開してたか。まぁ、建物が全破壊しちゃうからね。
「一歩間違えれば、立香の身が危険だったんだ！」
「そんなんで死ぬような人間じゃないよ！何かに取り憑かれたら終わりだけどさっ！」
「そんなに彼がを助けたかったのか？そんなに大切な人なのかよっ！」
「大切な人の大切な人は大切なのよ！それに、あの人は…こんなところで終わっていい人じゃないから。」
白雲さんと一緒にいて分かった。彼はヒーローになるべきだと。
いゃ、この世界は皆願えば…誰でも“ヒーロー”になれるのだ。
無個性でも、人は……
「お前は！良い人すぎるんだよ！！」
「！！」
「忠告しておく、立香。自滅するぞ。」
「脅し？」
父が怖い顔してそう言ってくる。
私を動揺させて、隙をつくつもり？
「ごめんね、お父さん。良い人で…いられるのなら、いたいんだ。」
刹那。
私はお父さんをぶっ倒してしまった。
行かなきゃ。
私のやるべきことは、まだ終わっていない。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年10月21日 20時
