寄り添ってあげてね ページ12
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うーん。やはり気になる。
放課後。全ての授業を終えた私は頭を悩ませていた。
初日早々、先生が呼び出されて雄英からどこかに言った。
あのオールマイトさんの表情。なにかあったに違いない。
オールマイトさんはなんとなく事情をしっている感じだった。
つまり…ヴィラン関係。しかも、かなり重要な。
そして、オールマイトさんと関わりの深い方が関係者の一員。
うーん。謎だ。
「ふ、藤丸少女！き、君は何をしたんだね……」
たまたま通りかかったであろうオールマイトさんが、怯えながら私を見る。
ふと周りを見ると、木々が倒れている。
おっと、魔力漏れが……
後で校長に謝らないと。
「すみません。悩みすぎて魔力が漏れたみたいです。」
「悩み事かい？私で良ければ相談に乗るよ。」
「じゃあ、一つ。相澤先生は何故今日…呼び出されたんですか。」
オールマイトさんが黙ってしまった。
「それは…悪いが言えない……。相澤くんのことだ。それは私が言うことではない。きっと、君になら話してくれると思うよ。」
「え？」
「寄り添ってあげてね。君まで失ったら、彼は本当に壊れてしまう。」
父と同じ事を言われた。
あの人がどれくらい…悲しくて辛い思いをしたのか。
私がそれを想像するのは失礼であろう。
私は寒空の下、来るかもしれない彼を待った。
私は何をやっているのか。瞑想なんかして。
いざとなって、重い話しをされても落ち着けるようにやっているのだ。
真剣に向き合いたい。
私はため息と共に目を開けた。
「〜？！」
声にならない叫びがでた。
私は驚きすぎて、後ろに倒れそうになる。
そっと、後ろに腕を回し倒れるのを阻止してくれる。
「すまん、そこまで驚くとは思ってなかった。」
「わ、私もここまで驚くとは……。」
私はよいしょ、と立ち上がる。
先生はじっと私を見つめていた。
なんか、慣れないなー…見つめられるのは。
先生もやってきたし、本題に…と思ったけど、流石に私から聞くのは違うか。
やっぱり彼から話してくれなきゃ。
なにか違うことを話そう。
「合理的な先生が、また夜に散歩なんて。もしかして、私に会いに来てます？」
「そうかもな。立香に会えるのは嬉しいからな。」
私の顔に熱が集中する。
その微笑みは反則である。
「そ、そういうのはやっぱり慣れてないので…やめてください……」
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作者名：マリア | 作成日時：2022年10月21日 20時
