赤 ページ36
大倉の呼吸器が外れて2日経った日、ICUから病室に戻ることができた。
「大倉〜おはよう！やっぱ病室の方が静かでええな！」
左手を握りながら話しかける。
大「…^_^」
大倉はというと、まだ酸素マスクをつけていて、目もとろんとしてぼーっとしていることが多い。
安「おーくらー！起きとったん！おはよ〜^_^」
大「…」
大倉がほんまに微かな力で、左手を何度も握ってくる
「おお、どしたん？」
大「にぎれない…」
「握れてるやんか！そない焦らんでも大丈夫やで」
安「おーくら？そんなおーくらに、いいもん持ってきてん！」
握力を鍛えるグリップを手渡すヤス
大倉はグリップを見つめ何度も握っとる
…けど持つのがやっとな感じ。
大「…グスッ…ごめん…」
グリップをベッドにコトっと落とし、静かに涙を流してる
「大倉…大丈夫やから。絶対動くようになるから。ごめんな、俺なんも力にならんくて」
細くなった大倉を抱きしめる。
安「こわいよなぁ。不安なんよな。
おーくら？俺らみんなついてるから、一緒に闘うから、
おーくらが何回泣いても投げ出しても、絶対俺らが支えるから。
しんどいって伝えてくれて、ありがとうな。」
やすの言葉を聞いて、大倉はまたグリップを握ったけど、
疲れたのかそのまま寝てしもた。
「休める時に休まなな。
やす、ありがとう。なんか俺まで元気出たわ！
絶対大倉んこと、支え続ける！」
安「俺はなんもやで！おーくらがこんなに全力で頑張ってんのみたら、俺も弱ってられへんなって思ってん！
一緒に頑張って、絶対またライブしよな」
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作者名：Aqua | 作成日時：2019年6月30日 22時
