ブランデーフリップ (ページ4)

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Forth ページ4

そうこうしてるうちにフロアの方がザワザワし始めて何かと思えば先程のDJのジスさんのステージが始まるらしい。

とにかくジスさんのステージは凄かった。たまにライトに照らされるジスさんの顔は確かにかっこよかったし、曲のセンスもよくて何より歓声が凄かった。ステージが終わりしばらくしてジスさんと女の人がバーにやってきた。

多分お隣にいる女の人が彼女なんだろう。
「あれ？初めて見る顔だ」
私の顔を見てジスさんはそう言った。

SC「ジユちゃんのお友達だって」

『初めまして』

JS「はじめまして、リズは何飲む？」

聞いてきた癖に興味が無さそうに答えて終わったがまぁ彼女もいるしそうか。ジスさんはステージ上の時とは違いなんだか可愛らしい印象だった。というのも彼女と話してる時は表情がコロコロ変わるしよく笑っている。

これがギャップ萌えってやつなのかなと考えていると、ミンギュさんが彼女にちょっかいをかけていた。ジスさんは「ミンギュー、そろそろ人の女にしか興味ないのやめなよ」と言っている。

ミンギュさんはごめんごめんと絶対に思ってなさそうな返答をしていた。そのやり取りをぼーっと見ているとミンギュさんが彼女に向ける視線がただのからかいじゃなくて少しだけ愛おしそうな気持ちが滲んでいて、もしかしてと思った。

さっきリズさんの話をしてくれた時に寂しそうな顔をしたのは、多分リズさんのことが好きだからだ。きっとジスさんも彼女さんも気づいてない。まぁそれはミンギュさんのあの空気感とか普段の発言のせいだとは思うけど。

でもミンギュさんは好きという気持ちを自覚しているのだろうか。苦手だったはずなのになんとなく少しだけミンギュさんに対しての気持ちが変わった気がした。