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初めてお酒の味を知った日 ページ7

最近ヘンリーがそわそわしていてボーと一緒に変だなあと思いつつも、彼は平気だと言って振る舞うのでそれ以上は問い詰めることは無かった。ボーは私よりも長年の付き合いのせいか彼に問い詰めることもあり、ヘンリーは逆上してボーを突き飛ばした。
それでも私の姿を捉えると、身体を固まらせた。

「ボー、ヘンリーがおかしいって思わない?」
「それは思ってる。生まれてからの長い付き合いだけど、こんなに荒々しいのは初めて見たよ」

ヘンリーがいなくなった中、小声で会話をしつつ二人でいつも三人で通うバーへと赴いた。
その先で、いつものおっさんたちに「小さいぼうずも来たか?酒はまだだろ?」と酔っ払った状態で言われた。何だコイツらと思いつつ、いつもの席に見慣れた男の後ろ姿を見付けた。
ヘンリーは私たちの方へ向き、そんな私たちを少し気まずそうな顔で見てくる。
その様子で私たちを視界に入れていて、ボーは私の手を引いて歩んでいく。

「……」
「何だよ、ルーカスも俺を否定するか」
「ルーカスも俺もそんなことは思って無いよ、ね?俺は君の力になりたいだけだ。ルーカスも心配してるよ」

少し不貞腐れている状態のヘンリーに、自分たちは必死に彼に言葉を投げた。
本当に心配はしてるし、私は外では声を出せないので頷いたり身振り手振りで伝えようと奮闘している。そんな必死な私が面白いのか、他の人が見てゲラゲラと笑っていた。

「お、おい……ルーカス……何だよ、それ……ふふっ」
「?」
「ああ、俺が一人で逆上したのがバカみたいだったな」

彼は小さく笑っている様子で、私の頭をヘルメット越しだが撫でてくる。
ボーは少し困惑している様な雰囲気だが、少しした後に嬉しそうな声をして私の肩に手を置いた。

「あんたがいて本当に良かったよ、ありがとう」

ボーは真っ黒な瞳を閉ざして、にこにこと手を動かしていた。

「俺の奢りで、後であんたにジャーキーでも買うか」
「!」
「良い反応だな」

私の頭を撫でたまま、今度はボーに向く。

「ボー、ゴメン……俺がアホみたいに騒いで」
「良いんだ、俺は気にしてはいない。ヘンリー、仲直りのお酒でも飲もう」
「!」
「ルーカスもお酒が良い?……うーん」
「別に良いんじゃないか?ルーカスももうじき大人だからな」

確かにもうすぐ20に近いので、そんなことを言ったのだろう。
ボーはそれを聞いて、溜め息をついた。
バーのマスターから芋酒を三本買って、私に一本くれた。
ぽんっと良い音を立て蓋が開いて、テーブルの下に回って小さくヘルメットを上げて飲んだ。
口内に辛い味と渋い味が広がり、べえっと舌を出した。

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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます!今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは!嬉しい限りです!またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします! (2020年9月20日 22時) (レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さとうみさん | 作成日時:2020年4月24日 23時

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