【番外編】本当のことに自覚した日 ページ40
※最終話後
同じ女の子であるバディに自分の奥さんになったAに対する態度をどうすれば良いのかと相談したけど、彼女は明らかに不機嫌そうな顔をして僕の話を聞いていた。
「アンタら、マグやボーが言う"フーフ"だろ。いきなりどうしたんだ」
「そうだけどさ……最近、彼女を見るとドキドキしてみているのが怖いんだ」
今度はあきれた表情になった。
最近Aを見ると心臓がどきどきして、顔が熱くなる。初めて女の子を見た日や新しいマジックを成功させた時の興奮とは大違いで、まともに顔が見えなくなる程になっている。バディは大事そうに抱えていた幼子の耳を塞ぎながら、僕をあしらうように返事をしていた。
じきにバディに追い払われて、渋々ワイアット家へと戻った。戻ると最近直視できない女性が一人で細々とジャーキーを食べていた。何となく彼女の隣に座るけど、胸が痛くなるほどに心臓が激しく動く。僕の様子に気が付いたのか、ジャーキーを食べ終わったAが声をかけてきた。ボーと僕たちの娘が安全な場所に遊びに行っていることとか、彼女が留守番で家にいたとか聞かされた。
「あのさ、私のこと嫌いになっちゃった？」
「そんなことないよ！僕は君が―――」
突然の言葉に対して、先の言葉が言えない。言おうと思っても、喉元から出ていこうとしない。そして近い顔に驚くと同時に顔が熱くて頭が真っ白になる。
「最近変だよ、ボーもにこにこしてるだけだし」
「ごめん、嫌いって、わけじゃないんだ……その、逆……」
ぐいぐい詰め寄る綺麗だと思う顔。悲しそうに眉を下げているし、罪悪感にかられつつもその顔も見とれている自分がいる。
「……家族じゃなくても良いから一緒にいたい」
「だから、僕は君が好きだって！ずっと一緒にいたいし、夫婦として過ごしたいし、あの子とボーとで4人仲良く暮らしていきたいよ！」
思い切って言ってしまった。そうか、彼女が好きなんだ、しっくりきた。初めて彼女を抱いた日より、確実に思えた。
「……私も好きだよ……うん」
珍しく顔を赤くして、僕の言葉に頷いた。その姿が愛おしくて、思わず手をぎゅっと握った。最近握っていなかった手は暖かくて柔らかくて優しくて、手放している期間があったことに悔いていた。
「よそよそしいのはナシね」
「分かってるよ」
「だから、その……ボーたちが帰って来るまで抱きしめて」
金色の髪が僕の体にすり寄って来る。その体を優しく抱きしめて、その存在を確かめていた。
終わり←小さな光を見付けた日
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
