目覚める日 ページ33
「しかし、こうして、可愛らしい、お嬢さん、の、君に、逢えて良かった、よ」
目の前の青年は私の金色の髪が生えている私の頭をわしゃわしゃと撫でていて、それが段々ガサツになってきている。声もかなり震えてきていて、恐ろしくなってきている。
「……な、何……？」
「あ、ぁ……な、んでも、ない、さ……ただ……君の、決断、訊きたい……」
私のこれからのことを訊いているようだが、自分でも上手くまとまっていないせいでまともに返答できない。
言葉を詰まらせていると、ボーは私の代わりに答えた。
「彼女は……母親になるかこの世界で紛れて死んでいくのかと考えていた……それだけだ」
彼は私の考えを上手くまとめて言ってくれて、内心はほっとしていた。
先日にボーに訊かれたことを告げていたが、彼はそれをしっかりと聞いてくれていてそのことだけを告げていたのだ。
「……そう、か……しかし、どちらか、の、選択は、出来ない、んだ……君の、道は……世界の道でも、ある……」
胸を苦しそうに押さえて、それでも私を捉えて離さないようにヘルメットの奥に隠れている瞳で見てくる。
それに怯んでいる間にも、どこからか取り出した冊子のような物を渡してくる。
「私、は……もう、長くない……君は、お父さんの、手記でも、見て……おいた方、が良い……」
「お父さん……？」
「君の本当の……お父さん、だ……」
その言葉に目を見開くと、彼はのそのそと歩き出した。
その先は明らかに地響きがした方向で、私たちと同じ先を歩もうとしていると分かった。
しかしボーとジャックは男を追い越して、私を連れて地響きの方向へと歩いて行った。
「ルーカスって名前だけど……本当は何て名前、なんだい？」
「え？」
「女性の名前って、そんな雄々しいものじゃないってマグで見たことがあるから……」
ジャックは戸惑いつつも私の名前を訊ねていた。
それに答えかねていると、ボーは頷いて私を見ていた。
「……えっと、A・ワイアット……ボーとは義兄妹。このドラムはヘンリーからもらった物」
「……彼女はワイアットを持つ前は、ミラーっだったんだ」
彼は酷く声をくぐもらせて、ジャックに改めて私を紹介してくれていた。
自分のミラーというセカンドネームの存在に、嘘だと思いたくなったのは今までのことで滅入っていたせいだろう。
そんなことを思いつつも、持っていた手記をぎゅっと手にして歩み続けていた。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
