見えない先を進んで行く日 ページ26
この世界にも未だに少年がいたのだなあと思いつつ、また旅を続ける。
ジャックも日に日にマジックの腕が上がっているようで、チンピラに喧嘩を吹っ掛けられての目くらましの為に出すマジックも異常に派手だ。
「……ここから先が、縄張りか……」
「ゆっくり過ぎ去らないと面倒くさいことになるよねえ……」
「……」
「え、マジックはしばらく辞めた方が良いって？……分かったよ」
ジェスチャーでジャックのトランプとジャグリングを指差して、腕でバツマークを作った。
すると渋々と言った様子で、それらをしまいこんでいた。
「ジャックのマジックは派手だからね……まあ、仕方が無いよ」
「最近剣を飲むマジックも出来るようになったよ？」
「もう過激なことはやめてくれないかい？」
ボーは小さく震えていて、近場に落ちていた剣に控え気味な眼差しを向けていた。
彼らの動作を眺めつつ、影を伝って歩いて行く。
周囲には男たちがうろうろしていて、無闇に出れば喧嘩をふっかけられると嫌でも理解出来る程にぴりぴりしている。
最近は女の子が暴れ回っていると言う噂を聞いて、ボーと一緒に小さく反応していた。
自分も女なのだが、相変わらず周囲の人たちにはバレていないので危惧はしなくて良いと分かる。
最近知った少女の名前も、『バディ』と言うらしいので全然違うと分かった。
「……ふう、済んだかな……」
「いや、縄張り一つ一つが結構広いから。まだ出ていないよ」
「ほ、本当かい？流石に旅に出ていただけでもあるね」
「まあね」
胸を張るジャックと感心するボー。
そんな状態で未だにそそくさと歩く中、いつぞやに見た赤いドクロの付いた黒いマスクの少年が剣を片手に歩いていた。
彼の向かう先はその縄張りの中心で、恐らくボスと思しき人物がいる所へと向かっているようだった。
それは他の二人にも見えたようで、顔を見合わせてくる。
「あれ、彼……どこへ行くんだろう……」
「？さあ。もしかしたら、この縄張りの中に入りたいのかもね」
「そうかなあ……」
首を傾げるボーと、少し興味を惹かれたようなジャック。
自分はぼんやりと彼の後ろ姿を見詰めて、行く末をうっすらと見ていた。
彼もかなり大変なんだなあと他人事みたく思って、その縄張りを去って行った。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
