少しずつ変わって行く日 ページ25
朝起きてまたオレイサの地を、足で踏みしめて進んで行く。
その最中で、ミュータントの数が多くて襲いかかってきている。そのせいでいつもボロボロで、頻繁な休憩を挟んで進むしか出来なかった。
そのせいで治療などでマグの消費が尋常では無かった。
「マグや備蓄が減って来ちゃったね……稼ぎ時かな」
「そうだね、僕もマジックを披露して目を惹くようにすれば良いんだね！」
「ジャックもかい？」
「僕のマジックを信じられないとでも言うの？」
「そう言うわけじゃないけど……」
ドラムを片手に、男二人のやりとりをぼんやり眺める。
ジャックが私たちの前に出て、一本の絃のギターを奏で始めるボーを見て自分もドラムをリズムよく奏でる為に叩く。
その間にもジャックは派手なジャグリングをしたり、剣を飲み込むマジックをしたりしている。
過激で刺激的なマジックもあるせいか、周りに人が群がって来た。
そしてBGMになっている私たちの楽器の音色も、一層ヒートアップしてくる。
「にいちゃんたち、最高だな！ほら、マグだ。受け取れ！」
「持ってけドロボー！」
そんなことを周りのオッサンどもから言われて、マグを投げ付けられて叩き付けられる。
このご時世でも娯楽が必要らしいが、このご時世だからこそなのかもしれない。
叩き付けられて散乱しているマグを手にして、どれくらいの稼ぎかと思ってじっと見ていた。
「あ、あの……」
震える声が聞こえてきて、その声の聞こえる方向に顔を向ける。
すると、真っ赤なドクロが目立つ黒いマスクを付けている男と小さなその同様のマスクを付けている子がいた。遠目から見れば兄弟に見えて、彼らに向かって首を傾げる。
「ラ、ランドーなのかい？」
「ランド―ってこんな声だったんだ！ルーカスの声なんてまだ聞いたことなんて無いんだけどね」
「えっと、その……さっきの、あ、あれ……すごく良かったよ」
見た目に反して声が異常に震えていて、か細く何だか弱く感じてしまう。
ランド―ってこんな人だったのかと思いつつ、彼が控え気味に感想を言ってくれていた。
それを聞いて、ボーとジャックは嬉しそうな声を出していた。
「本当かい、ありがとう」
「あ、あぁ、マグは無いけど……それだけ、言いたかったんだ……」
優しそうな雰囲気に呑まれそうになる程、言動が柔らかい。
それでもお揃いのマスクを付けた少年と思える程背が低い人物は、堅苦しい雰囲気をしていた。
そっと手を伸ばして、目線を合わせる様に屈んでも彼はそっぽを向くだけだった。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
