お気楽じゃない旅に出る日 ページ24
この広く感じるオレイサの荒廃した地で、本当の家族に逢いに行く為の旅に出た。
戦闘に関してはジャックに任せて、私たちは彼の後方支援で手伝うことをメインで進み続けた。
「ヘンリーって誰なんだい?君たちの兄弟ってことしか分からないから……」
「ああ、君には話しておくよ」
進み続けている道中で、闇夜の空の下で焚火で温もっているとジャックが何気無く訊いてきた。
それを言うことをためらわなかったのか、ジャックにヘンリーのことを言い始めた。
ヘンリーと過ごした今までのことや、私の恥ずかしい赤ん坊時代までもべらべらと喋っていたのでドラムの固い丸い縁でボーのヘルメットに叩き付ける。
「恥ずかしがることは無いよ、俺とヘンリーの大事な大事な思い出の一部なんだから」
「……!……!!」
「あはは、仲が良い兄弟なんだね。僕は生まれてこの方、兄弟なんて存在がいないから……羨ましいよ」
力無く笑むジャックを見て、ボーと顔を合わせる。
ボーも何か思うことがあるらしく、少しためらったような雰囲気を見せる。
自分も本来の血縁関係の者がこの世にいないので、ボーが羨ましく感じている節があった。
「実は俺たち、義兄弟なんだ」
「え!?本当なのかい!?す、すっかり、本当に血の繋がりのある三兄弟の内の二人かと……」
「そうしたら、ルーカスが随分と小さいじゃないか」
「あ、そうだね。全然違う」
それを言われて、少し腹が立ったので文句っぽい言動を示す為に身振り手振りで文句を並べる。
「!!」
「あ、怒ってる」
「まあまあ、背丈が全てじゃないんだから。ルーカスは俺よりも音楽が得意じゃないか、ギターでも上手に弾きこなしていたから」
そう言いながら、ボーは私の行動を制していた。
ふうふうと小さく呼吸を荒くさせていると、肩を撫でられてそっと座らせられた。
「君たち、先に寝なよ。俺が見張っているから」
「……」
「寝ようよ、ルーカス」
「……」
ジャックに寝袋を渡されて、その中に自分の身体を入れ込む。
少し不貞腐れて、焚火に背を向けて横になった。
後ろからは小さな笑い声が複数聞こえるが、無視して眠ることに専念した。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます!今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは!嬉しい限りです!またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします! (2020年9月20日 22時) (レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとうみさん | 作成日時:2020年4月24日 23時