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新たに進む日(joyfulに入る前) ページ23

翌朝、家に訪問して来たジャックに揺り起こされて目を覚ます。
幸いヘルメットをして眠っていたので、何も言われることは無かった。

「ボーが荷物をまとめているけど……どうかしたの?」
「……?」

ジャックの言われた通りに、家の中の音のする方向を見る。
すると何かをごそごそしているらしく、頻繁に音が聞こえてくる。

「!」
「ジャック、起こしてくれてありがとう」
「別に良いんだけどさ、何をしているの?」
「ヘンリーを捜しに行く旅をもう一回しようかなって」
「!!」

その言葉に反応していると、彼は大きな荷物の詰まったトランクを持って私へと近寄って来た。

「ルーカス、付いて行くかい?ジャックとここで待つのも一種の行動だからね」
「!」
「そうか、付いて来るんだね。分かった、荷物をまとめて来てくれないか?」

ボーに言われて、自分も与えられたトランクの内にぎゅうぎゅうとマグとドラムとジャーキーを詰め込む。
それを見たジャックは、少し唖然とした様子をしていて私たちを見ていた。

「旅に出るのかい……?」
「ああ、ごめん。ジャック、君はこれから好きなように過ごせば良いよ」
「……じゃあ、僕も行くよ。一人で旅をするより、君たちと旅をする方が面白そうだし」

彼は人の良さそうな笑みを浮かべて、荷物をまとめ終わった私に近付く。
その様子を見て、旅の仲間が一人増えたことに心強さを感じた。
この世界は暴力が渦巻いているので、その自衛をする術を持っているだけでとても旅が潤滑的なものになるのだ。

「良いのかい?君に関しては決して良い旅とは言えないよ?」
「道中でマグを稼ぐ術は僕たちに兼ね備えられているじゃないか。大丈夫だよ」
「……ジャックの手品は確かに目を奪われるね。じゃあ、付いて来てもらっても構わないよ」

ジャックは嬉しそうに、私たちを見て「ちょっと待ってて!準備して来るから!」と言って家から出て行った。
その状態をぼんやりと眺めていると、ボーは声をかけてきた。

「ジャック、一人で今まで旅をしてきたらしいから……彼に頼ることも良いのかもしれないね」
「……うん」

小さく頷く台詞を吐くと、ボーは「チンピラとの喧嘩も"魔術"と称して本当にスゴイ技を出していたから……びっくりしたよね」とブラッドとの旅路を簡易的に思い出した。
確かにいつも最前線で戦っていることが多くて、その時の派手な戦術に目を奪われたことが何度もあった。
小さく苦笑いをしていると、彼もまたそのような雰囲気をしていると分かった。

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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます!今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは!嬉しい限りです!またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします! (2020年9月20日 22時) (レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さとうみさん | 作成日時:2020年4月24日 23時

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