一転した日 ページ20
いつの間にか眠っていたらしく、ボーに揺さぶられて目覚めた。
しかし彼は少し焦ったような声で、私に向かって声をかけていた。
「ルーカス！ブラッドとターディがいないんだ……！」
焦っている理由は、このチームのリーダー格の人物と船を作ってくれると名乗り出た人物がいないと言うことだった。
ブラッドムーンマウンテン方向に行った仲間たちはいるのだが、その船頭を切っていた男がいないのだ。
他の仲間たちも焦った様子で、彼を捜しているように見える。
「ルーカス、まだ眠いのなら俺の背中で眠って良いから……ブラッドを捜しに行くよ」
ボーに背負わされて、大急ぎで焚火の跡の前から去った。
その動作に驚いている間にも、ボーは足早に進んで散策している皆から離れた場所に向かっている。
その最中、「もしブラッドがいたら、声をかけてくれ」と短く言った。
確かに私たちがついて来ている理由は、ヘンリーに逢う為だった。その義兄の居場所を知っている彼がいなくなれば、ヘンリーに逢うのが困難になってしまうと嫌でも分かった。
「……分かった」
「頼むよ」
ボーに揺さぶられて、行ける所まで向かう。周りに時々仲間たちが来たものの、私たちを避けて違う場所を捜し出している。
そんなことを数十分も続けている内に、段々と疲れが取れてきたので下ろしてもらった。
「……」
「ルーカス、見付けられたかい？」
「……」
「そうだよね……」
結局ブラッドとターディは見付けられることは無く、皆々集まっている所まで戻っていた。
「見付からなかったか……」
「そうだ、全くだ」
「あの野郎、俺らを置いてどこに行きやがった」
かりかりしたり心配したりいつも通りだったりと、様々な反応をする彼ら。
そんな中で、ブラッドとそこそこ親睦が深かったテリーとナーンとオランが名乗り出て来た。
「僕たちでブラッドを追いかけに行くよ」
「あの男の行きそうな所なら大体分かる」
「ああ、もちろん説得しに行くさ。しっかりと連れて帰って来る」
彼らは周りの反対を押し切って、三人だけでどこかへと向かい出した。
ついて行こうとする者がいたが、三人だけで行くと言って聞かなくて追い返していた。
「……待つしかないのかな……」
ボーは少し寂しそうに三人の背中を見詰めていた。
自分もそうして見詰めることしか出来無くて、ボーの横で無心になっていた。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
