異国の地の文化を受けた日 ページ17
水場なのに湯気の漂う水面を這う蜘蛛を避けて、服がびしょびしょになっている中でもずっと進んで行く。
周りの皆は、びしょびしょになりつつも蜘蛛をはたきおとしていた。
「あー……何でこんなに蜘蛛がいるんだよ……」
「！」
「何だ、ルーカス……って、誰だ？」
かなり入り組んでいるバスハウスの恐らく奥に当たる部分に、縛り上げられて不自由な状態を強いられている男性を見付けた。
彼は私たちを見て、嬉しそうな表情になった。
「もしかして、助けに来てくれた？」
「い、いや、ちが」
「そうなんだね！お願いだ、連れて行ってくれ！」
そんなこんなで、トビーと名乗った縛られている中年男をオランが背負い出した。
その様子を眺めつつ、今度は違う方向へと歩み出す。
「あ"？何だ、オレらの縄張りに入りやがって」
「……あぁ、この先だな」
先頭に立って背負っている男もいるオランは、お湯に浸かる裸体のガラの悪そうな男たちを物ともせずに奥へと歩もうとする。自分たちもそれを追おうとする。
しかしそれを許してくれないのはその男たち。眼を飛ばして、こちらに異常にぎらぎらした鋭い目線を投げてくる。
「あのなぁ、無断侵入して挙句の果てにゃぁ拐ったオッサンを連れて来るわ……嫌でも怒るモンだぞ？」
真ん中にいた男は徐に立ちあがれば、周りのおっさんたちも立ち上がる。
お湯の滴る音と、裸体のおっさんの姿に思わず目を覆い隠したくなる衝動に駆られる。
そしてこちらにその7人のおっさんたちが殴りにかかってくる。
「はあ……何だ、殴りに来るのか」
「ひぃっ！？」
「誰か、こいつを保護してくれ」
後ろにいた私たちに向かって、オランはトビーを投げてくる。
おっさんが宙を舞う光景に、唖然としている中でもハエの格好をしたフランクに見事に当たる。
そしてその衝撃で彼らは、濡れたタイルの上に倒れ込む。
その間にもオランは弓矢と弓をいつの間にか取り出していて、男たちに向けていた。
「誰か加勢しろ！」
「オーケー！途中経過のマジックでも先行な披露してあげるよ！」
「そうね、少し鬱憤が溜まっていたのよ。アンタたち、相手でもしてくれるのね？」
「……」
上からジャック、クイーン、バケツと出て来る。
私たちは後方で、彼らをトビーを保護しつつ眺めていた。
「何でこうも人間たちは血の気が盛んなんだ……」
「……」
「何だ、君は。さっきから目のやり場に困っている様子に見えるが」
ハーヴェイは私の様子にツッコんでいて、自分のその様子に少し焦った。
実際に全裸の男たちに会ったことは無いので、酷く混乱している節があるからだろう。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
