(暗い夢) ページ15
気が付けば、知らない男性が眼の前にいた。
彼は白い羽織を羽織っていて、とある写真を見詰めていた。覗き込める位置にいたので、それをそっと覗き込む。
するとお腹の膨れた女性が写っていて、こちらに優しく微笑んでいた。
この世界に女性がいたのかと驚いている中でも、こちらに気付く様子の無い男に驚く。
「ミラー研究員」
「博士じゃないか、どうしたんですか」
男はミラーと呼ばれて、彼と同じ歳のように見える男が彼に近寄って行く。
その男はトランペットを片手に、ミラーに近寄って来ていた。彼らは未だに私に気付いていない様子で、話し始める。
「ところで君、最近のジョイの研究……かなり良い感じに進んでいるようだねえ」
「ええ、これは最初は麻薬みたいな効果ですけど……先日動物実験をした際には、強力な力を得て他のマウスに危害を加えだしましてね」
「なるほど、それはそれは」
同じく白い羽織をした男は不気味に笑んで、ミラーと呼んだ男に近寄る。
「ジョイをくれないか」
「？ああ、構いませんよ。これ、まだ試作品段階ですけど……」
「それは承知している」
「……はぁ、分かりました……」
ミラー研究員は少し怪訝そうな顔をして、その男に丸い小さな青い何かを詰めた透明の袋を渡していた。
それは非常に見覚えがある物で、思わず目を見開いた。
あれは……。
「話は変わるが、奥さんの調子はどうだ？」
「最近赤ちゃんがお腹を蹴ってくるって、嬉しそうに電話してくれているんです……私もいつかその赤ちゃんに会ってみたいです」
「そうか、良い状況なみたいだな」
こちらに突然向く、博士。
明らかに私を厭らしい笑みで見てきていて、ぞっと悪寒が背中を走っていく。
「君の赤ちゃんなら、立派に育つはずさ」
「そうですか？博士がそう言ってくれるのであれば、きっとそうですね」
男は嬉しそうに笑むも、博士は未だにこちらに不気味な笑みを浮かべている。
それが気持ち悪くて、ぞくぞく怖いと言う感情が異常に吹き出て行く。
「大丈夫だよ、君なら平気さ……きっと上手くいくさ」
誰に対してその言葉を発したのか分からない。
でも、明らかに隠れた悪意を感じる言葉だと嫌でも感じられた。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
