騒がしいきっかけができた日 ページ11
ブラッドたちと歩む旅路では、タチの悪い男に絡まれることが当たり前になっている。
その度に私は変な音楽を奏でて、彼らの気を反らしている間に逃げ出すと言うことを繰り返している。
「……」
「はい、ブラッドからもらったジャーキーだけど、食べないの？」
逃げ出す最中でも、男からの攻撃を喰らって身体が痛む。
それを歩いている中でも堪えていると、真横にジャックが来ていた。彼は私に向かって大好きなジャーキーを出してくるので、欲しくてたまらない気持ちが込み上げてくる。
しかし、ヘルメットを少しでもずらさないと口に含むことができないので食べれずにいる。
「受け取るだけでも受け取って、せっかく僕ときみの分だし」
「……」
「うん、あげたからね」
座り込んでジャーキーを眺める私の横で、彼も横に座ってくる。
ジャーキーを見詰めている私をじっと見てきていて、その目線を諸に喰らってしまう。
「……」
「早く食べなきゃ、誰かに食べられちゃうんじゃないの？」
「……」
「ほら、ジャーキーを物欲しそうに見ている人がいるよ？」
ジャックは口にジャーキーを含みつつ、ある方向を指差す。
そこを見ると、よだれを垂らしてい見てきているパーシーと目が合ってしまった。
それを察して、小さく縮こまってヘルメットの隙間にジャーキーを詰め込んだ。口に至り、それをもひもひと頬張って噛む。
縮こまる体勢を止めて、再び顔を上げるとパーシーは瞳を潤ませて近寄って来ていた。
「な、なんてことを……っルーカス……！」
「……」
「あはは、知らないってさ」
大げさな反応をするパーシーと笑うジャック。
それを見ながらも、口に含んでいるジャーキーを噛み締めて味を楽しんでいた。
昔から大好きなジャーキーで、先程の攻撃から受けた傷も癒える程の肉の味が口内に広がってほっこりとしていく。
後はココラコーラかお茶があれば良かったのだが、マグ不足でそんな余裕は無いとブラッドから言われそうだ。
「パーシーなんて、さっきの攻撃なんて一つも受けていないじゃないか。彼も僕も少し痛いめに遭ったからそんな顔をしないでよ」
「で、でも」
「しょうがないだろう」
パーシーに声をかけているジャックは呆れた眼を向けていて、私はそれらを見詰めるだけだ。
ぼうっとジャーキーを噛みつつ、隣の喧嘩を横流しのように聞き流すことにしていた。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
