君と出逢った日 ページ2
昨晩の眩い光が発生した翌朝、周りの風景はおかしいものだった。
「あ、あれ……ど、どう言うこと、だろう……」
見事に女性だけが道路に倒れ込んでいて、しかも近寄ってみれば異常に冷たい。
そのせいで、先程から驚いてばかりしかいない。
横にいる家族のヘンリーも目を丸くして、今の惨状に酷く動揺していた。
「ボ、ボー……これって……」
「な、何だろうか……俺も全く分からないよ……」
二人で街中を歩むも、何かがおかしいのは一目瞭然だ。
女性だけが倒れていて、その彼女たちの情人と思しき男たちは自身の女性を腕に抱えて泣いていた。
「あ！ボー、ちょっと、こっちに来てくれ！」
「な、何だいヘンリー……って、赤ん坊だね」
彼の行く先を見詰めると、そこには冷たくなっている女性と彼女の腕の中で眠る赤ん坊。
瞳を閉ざしてすやすやと眠っているので、泣き喚くことは無いだろう。
「旦那さんも近くにいない……この子、若しかしたらもう孤独の道を進んでいるのかもしれない」
ヘンリーは赤ん坊を抱き上げて、俺に見せてくる。
おくるみを見る辺り、女の子のものなのでこの赤ん坊は女の子だろう。
彼の腕から彼女を受け取って優しく抱き上げているものの、ヘンリーは女性の鞄を不謹慎に漁っていた。我が家族のしている事に止めに入ろうとしたが、彼は声を上げる。
「見ろよ、ボー！赤ん坊、Aって名前らしいぞ」
哺乳瓶に貼られているシールには確かに、"A・ミラー"と書かれている。
ミラー家の女の子だったのに、お母さんが死んでしまったそうな。
それはとても心苦しくて、一人ぼっちになった赤ん坊を放っておけない気持ちが沸き上がってくる。
「……どうする？ヘンリー？」
「決まってる、この赤ん坊の一人立ちするまで見てやろうじゃないか」
彼はうんうんと頷いて、俺の腕の中にいる赤ん坊を見詰めていた。
彼女はむにゃむにゃと口を動かして、起きるのか起きないのか分からない動作をしていた。
その様子は可愛らしくて、心が和やかになる。
これから彼女がどう成長するのか、とても楽しみだが……同時に家族を失ってしまった悲しみを背負い込むのだと考えると酷くやるせない気持ちに駆られる。
「ボー、しんみりとした雰囲気を出すなよ。Aに面目が立たないだろう？兄貴分なんだ、俺たちは」
肩をぽんぽんとたたいて、俺をなだめている様だ。
そうだ、俺だけじゃない。ヘンリーもいるんだ。
そんな意気込みで、赤ん坊を連れてその場を去った。
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さとうみさん - ラムネサイダーさん» ありがとうございます！今さらご返信なんて、とんでもないことをしていますが同士様がいらっしゃるとは！嬉しい限りです！またいつかLISAは短編でどこかで書こうと思っておりますので、そのときはよろしくおねがいします！ (2020年9月20日 22時) (
レス) id: 3ed32e075b (このIDを非表示/違反報告)
ラムネサイダー - ジャックとボーが大好きなので最高です。 (2020年8月19日 21時) (レス) id: 36b99241c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとうみさん | 作成日時：2020年4月24日 23時
