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部屋に到着し、運んできた彼女をベッドの上に下ろす。ベッドの外に投げ出されてしまった左腕を整えてあげた。
基本的に俺は世話を焼かれるタイプだし、シラフのAは本当にしっかり者。気が利くし、気付けば身の回りのこともかなりお世話になってしまっている。
ただ彼女にお酒が入ったときだけは別で、そういった関係が逆転する。トミーには、 “カンタにもそういうところあったんだな。” って言われた。
俺だってそう思う。俺にも恋人というものが出来て、初めてひとりで守っていかなくちゃと思った存在だからかな。彼女に関しては誰の手も借りられないし、出来ることなら誰の手も借りたくない。トミーみたいに上手くは出来ないけど、逆転したこの時が……結構好きだ。
恐らく今夜は起きることなく朝までこのままだろう。
彼女は所謂デキる女、風。メイクも華やかでお洒落。そんな彼女でもこんな俺に世話を焼かれるなんて。やっぱ放っておけないな。
化粧を落としてやることはできないけど、そのカッチリとした服装のまま寝かせておくのはなんだか窮屈そうだ。
カンタ「お〜〜い、着替えるか？」
「ん……やって。」
カンタ「返事するんかい。」
彼女の身体を揺らしながら問いかける。訊くまでもないんだけどね。
恥じらいがない訳ではないが、彼女を着替えさせることに少し慣れてしまった気がする。俺はこの瞬間の “デキる彼女を世話する俺” に酔いしれる。
自分でも “何考えてんだか” って少し呆れるけどさ。
カンタ「はい出来ました。」
「んっん〜〜……」
着替えが終わると、Aは薄っすらと目を開けて伸びをした。
「カンくんありがとう〜〜」
カンタ「いいえ〜」
そして、Aが俺をぎゅっと抱き締めた。
正面から、大袈裟なハグ。
……そう。これが欲しくて、いつもやってあげちゃうんだよな。
どんなに作業が大変でもAがここに帰ってきてくれるだけで癒しだし。こうして俺が彼女に世話を焼くのもある種、良い息抜きで。だから仕事も頑張れんだろうなって。
俺は恋人がどうあるべきなのか、よく分からないけど。
不器用でも良いから、自分の形で。
男としてずっと彼女を守っていきたいな、と思う。
カンタ「おやすみ、A。」
彼女をベッドに寝かし、可愛い前髪を優しく整える。
色っぽさに加えて、幼さの残るあどけない寝顔。
俺にとって唯一の、世話を焼きたくなる相手。
俺はAの長い睫毛にそっとキスをした。
end.
不安定な私（カンタ）：１→←世話を焼きたくなる相手（カンタ）：１
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菫(プロフ) - りたぴよさん» リクエストありがとうございます！「とある日の出来事。」というタイトルで書かせて頂きました。ご期待に添えるかは分かりませんが、宜しければお読みくださいませ。 (2018年6月22日 15時) (
レス) id: faaf26b423 (このIDを非表示/違反報告)
りたぴよ(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！！みんなで団欒中に見計らってイチャイチャしすぎてトミーに注意されるってゆうのがみたいです(笑) (2018年6月17日 19時) (レス) id: 68333e8467 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか - そして急なんですがリクエスト失礼します、！もし良ければ、ヤキモチのカンタのちょっと怖いような束縛なカンタのお話が見たいです、、、わかりづらくてすいません、、もし良ければそんなお話が読みたいです！いつもありがとうございます！リクエスト失礼しました！ (2018年6月15日 21時) (レス) id: 87e2a6f494 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか - お返事ありがとうございます！うれしいです！！！頑張ってください！！って変化もしれないけど応援してます！すいません...わざわざありがとうございました！！！ (2018年6月15日 21時) (レス) id: 87e2a6f494 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - ゆめかさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、大変嬉しいです！とても励みになります。少しずつではございますが更新してまいりますので、これからも宜しくお願い致します。 (2018年6月11日 5時) (レス) id: faaf26b423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫 | 作成日時：2018年5月21日 6時
