桜。【水溜りボンド】 (ページ10)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:17,065 hit

心配ページ10

ひっしーと話してその後ぞろぞろと後輩達が帰って来たが
1人だけ既に帰って来てもおかしくない人物が帰って来ていない。

「カンタさんまだ帰って来ませんね…」

「ちょっと俺探して来る」

携帯と上着だけ手に持ち外に出た。
今日は晴れていて夜でも雲がなく綺麗に月が見える。

カンタと動画投稿始めてあいつの性格とかも分かってきた。
非力で少食な癖に言ったことは必ず有言実行する。努力家で自分に厳しい。
そう、俺はそんなカンタに惚れてしまったのかもしれない。

そして俺の予想が合ってればあいつはあの場所にいる。

走って行くと端に座り月を見上げたカンタがいた。

「…綺麗過ぎるだろ」

月を見上げたカンタはとても綺麗で儚かった。

「カンタどうした？」

「ん…？…なんでもないよ」

「皆心配してんぞ」

「ごめんごめん、そういえばさトミー今足怪我してるんだよね？」

「あぁ、半分位治ってきてはいるけどまだ痛てぇかな」

そう、俺ちょっと肉離れ起こしたんだよね。
そしたらカンタが

「俺が良いって言うまで目瞑ってて？」

「お、おう…」

なんて言ってくるから素直に応じといた。

しばらくして目開けていいよ！って言われたから
開けて何が起きたか分からずカンタを見つめてると
ある違和感に気付いた。

「あれ？足痛くねぇ…お前何かした？」

「トミーが辛そうだったから魔法かけた！」

まぁふざけてるんだろうけどたまたま痛みが治まったって
事でそのままにしといた。

そして俺達は後輩達が待つ俺達の家に向かった。

この時はまだあんな事が起きるなんて思ってもいなかった。