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2年後の春。私は東大の象徴・赤門をくぐっていた。
「Aが東大だなんて…今でも驚きよ」という母の言葉に、「私そこまで頭悪くないもん」と反論しながら式場へと進む。
暫くして、入学式が始まった。新入生の宣誓や学長の話が終わると、学部毎での説明があった。
私は文科二類で入ったので、文科二類入学者が集まる所へ。
座る席がなくて右往左往していると1人の男性に「隣、どうぞ」と声を掛けられたので、
「ありがとうございます。では失礼します」と返すと、「人多いですもんね、僕も苦労しました。席探し」と話してきたので、「そうですね、びっくりしました!なるほど」と返すと、
「そういえば、お名前聞いてなかったですね。僕は伊沢拓司です。」いざわたくし…どこかで聞き覚えがある名前だと思いながら、「沖田Aです」と話すと、「ご出身はどちらで…?」
と聞いてきた。「茨城県です」の言葉に、「やっぱり。久しぶりだね、Aちゃん。」なんて返してきたので、私も100%この人は一緒に園庭を駆けずり回った あの『拓司くん』だなと思った。
説明会が終わるとぞろぞろ帰る人もいる中、私と拓司君はお互いの母を交えて話をしていた。
「伊沢さん、お久しぶりね!拓司くんはすっかり男前になって〜」「沖田さんお久しぶり〜!Aちゃんは凄く可愛くなったわね」
そこから母達のお喋りは止まらない。暇になった私達は、サークルについて話すことにした。
「Aちゃんは何かサークル入る?」という問いに、「ん〜。私は高校からクイズしてたからTQCかな」と返すと、「俺は中高クイズしてたし、やっぱTQCっしょ!」と笑顔を見せた。
その笑顔に、保育園時代からずっと抱いている想いが溢れそうになった。私はずっと拓司君が好き。そう言いたい衝動に駆られた。
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作者名:とちおとめ | 作成日時:2018年2月23日 23時