縁結びの縁切りさん【地縛少年花子くん】 (ページ7)

今日:6 hit、昨日:89 hit、合計:6,696 hit

【人魚姫】ページ7

そして後日。
昼休み、私と葵と寧々は昼飯を食べていた。
そして唐突な寧々の言葉。

「･･･やっぱり、違う種族同士は分かり合えないのかしら･･･」

「･･･なに、どした」

「寧々ちゃん･･･」

ゴクリ、と息を呑む葵。そりゃそうだ。親友がいつにも増して真面目な顔して変なこと呟いてんだから。

「こ、今度は何に恋しちゃったの？」

明るい風を装って葵が聞く。私はガン無視で購買のメロンパンを頬張っていた。え、お金？つっちー(土籠)から貰ったけど←

私が黙って話を聞いている間も、寧々がドーナツ、と奇妙奇天烈な回答をして葵を困らせていた。

「いっそ私も怪異だったら良かったのかも･･･」

「何･･･病んだ？」

怪異なんてそんなにいいもんじゃないけどな。要は人間で言う幽霊とか化け物ってことだし。寧ろ忌み嫌われる存在ですらある。

寧々には向いてなさそう、と思っていると、姉ちゃん、と呼ばれた。

「おー、詩音。どした？･･･こんなに女子を引き連れて･･･」

「オレが連れて来たんじゃないし･･･」

少し気まずそうな顔をする詩音。そんな詩音の周りには大量の女子が。そういえばモテるんだっけ、コイツ。

「姉ちゃん、オレの数学ノート返してよ。持ってるでしょ」

「え、持ってたっけ。私間違えて入れた？」

「オレの鞄に姉ちゃんの数学のノート入ってた」

「それはごめん。ちょっと待ってね。持ってくるわ」

いくら怪異と言えど普段学校で生活してるんだから宿題なんかはある。
私たちは屋上に設置されてある机や椅子なんかを使って課題をやっているのだ。だからまぁ、ノートが間違って入ってたりとかもある訳で。

「詩音くんどうしたの？」

葵に聞かれる。

「ノート返せだってさ。間違って入ってたみたい」

「そっかぁ。それにしても詩音くん、凄く人気者だね」

「まぁ、儚げイケメンだしね。私の弟なら納得だけど」

「今日も凪ちゃんは自信満々だね〜」

ふわふわした雰囲気で聞かれる。
私はにっ、と笑って返した。

「私だって葵程ではないけどモテてるからね〜。自信はつくよ？ところで寧々は？」

「魚って叫んだかと思えばすぐ出て行っちゃった」

「･････････魚？」

なんだよ魚って･･･