縁結びの縁切りさん【地縛少年花子くん】 (ページ4)

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何故かまな板に包丁が突き刺さり、洗剤が泡立ち過ぎており、辺りにはドーナツとは言えない何か黒い物体があった。

これを"ちょっと"だと言える神経を疑ってしまう。明らかにちょっとではない。寧ろドーナツ作るだけなのに何故こうなったのか知りたい。

よく見ると、勿怪が真っ黒なドーナツ(？)を食べて気絶している。可哀想に･･･
取り敢えず換気しよう･･･
そう思い、窓へと寄る。すると勿怪が鍵の前に立ち塞がっていた。

私は軽くため息を吐いて、勿怪に話しかけた。そう。寧々達がいるのを忘れて。

「勿怪。邪魔だからそこ退いて」

「え、」

「あ」

急に沈黙が訪れる。当の勿怪は、自分は知らん、というように走り去って行った。さてはコイツ仕組んだな。

「え、凪･･･？」

「･････････視える･･･んすか？」

二人の反応に、誤魔化しようがないと悟った私は、思わず頭を抱えた。
バラすのはもう少し先にしようと思ってたんだけどなぁ･･･

しょうがない、と開き直って口を開く。

「少し違う」

そう言って手首に巻いてあった糸を解いた。
すると、再度昔の制服へと姿が戻る。

「"縁結びの縁切りさん"の噂、聞いたことくらいはあるでしょう？」

私の言葉に、まさか･･･と寧々が言う。
私は、胸に手を当てて軽く会釈して言った。

「そう。私が七不思議の零番目。縁切りさんこと、縁霊凪。改めて、よろしく。寧々と源少年」

「なっ･･････！？」

次の瞬間、寧々と源少年の大絶叫が響き渡ったのは言うまでもない。