縁結びの縁切りさん【地縛少年花子くん】 (ページ27)

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校舎内を暫くグルグルと回る。しかし一向に境界へ行く素振りはない。
痺れを切らした源と寧々が柚木に何処にいるのか、と聞いた。

「わかんない！」

「･･････え？」

『は？』

「だから、わかんない」

その瞬間、源が柚木の首をギリギリと絞める。いいぞ、もっとやれ。

「お前七不思議のリーダーなんじゃねぇのかよ!!」

「やー、一番って守人だからかちょっとカタいとこあってさー」

初顔合わせの時に「エ|ロいことし放題じゃん！」と言ったら二度と会ってくれなくなったらしい。境界の場所も教えたくないと。お前ガチで何してんだよ。

てへ、と悪びれもなく言う柚木にちょっとだけ殺意が沸いた。詩音に関しては拳を握っている。

「じゃあ･･･花子くんも私達と同じで、一番目の七不思議については何も知らないの？」

寧々の問いにもうん、と返す。

「あっ、でも、一個だけ聞いたことがあるかな。三人の時計守のうち、真ん中の一人･･･現在を司る二人目の守人はこの学園に"生徒"として紛れ込んでいるらしい」

嗚呼･･･茜のことか。
でも彼奴が素直に私達(怪異)の言うこと聞くかね･･･彼奴は怪異嫌いだし。

というか、そもそもの話。どうやって炙り出すつもりなのか。貴方は怪異ですかなんて聞いて、はいなんて答える馬鹿はいない。居たとしたら本物の馬鹿だ。馬鹿って言うより阿呆だ。

ふと、一つ可能性が浮かんだ。

まさかとは思うが、葵を餌にして･･･？

柚木に聞こうとして横を見ると、皆居なくなっていた。置いてかれたか･･･考えすぎたかな･･･