縁結びの縁切りさん【地縛少年花子くん】 (ページ26)

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『＿＿＿それで、今からこの面子で緊急会議をしようかと』

「なんでオレが女子トイレに入らないといけないんだ･･･」

『死んだ目しないで詩音クン』

私の前には寧々、柚木、詩音の三人。取り敢えず七不思議の首魁には居てもらわないと困るし。零番目は副首魁みたいなものらしいけど、正確な依代の場所を知ってるのは柚木･･･首魁だけだし。

柚木に今日あったことを説明すると、時間か･･･と柚木は呟いた。

『心当たりあるみたいだけど、やっぱりこれっ、』

「花子―――――ッッ!!!」

私の言葉を遮って躊躇もなく女子トイレにズカズカと入り込んできたのは最強の祓い屋源輝の弟、源光だった。
お前一寸は躊躇しろよ･･･仮にも旧校舎とは言えここ女子トイレだぞ。ほら、詩音がドン引きしてるじゃないか。

「大変だ!!ウチの組の佐藤と横尾が！」

柚木の胸倉を掴んでガクガクと揺さぶる源。寧々が何かあったのかと聞けば、柚木をぽいと離した。柚木はいつもこんな扱いか･･･

「先輩･･･そうなんです。あいつら･･･あいつら･･･爺さんになっちまったんです!!!」

源が見せた携帯の画面にはピースをしている二人が。意外と楽しそうでウケる。

「四限の授業終わりにはもうこんな姿に･･･！許せねぇ･･･あいつらまだ14だってのに!!」

「お前さては若干楽しんでるだろ」

『写真撮ってる時点でちょっとは楽しかったんだね』

「不審者が教室に悪戯したんだ･･･って先生は言ってたけど、これってやっぱり」

寧々が不安げに言うと、柚木は怪異の仕業だとけろりと言った。

「佐藤ー!!横尾ー!!」

「うるさ」

『境界広しと言えど、こんなことできる怪異は限られてるよ』

「うん。十中八九、七不思議が絡んでる」

教室に戻ってくる最中に葵から聞いた話だ。まぁ、私は知っていたけど。

七不思議の一番目。三人の時計守。
彼らはそれぞれが"時間を操る"力を持っている。

一人目は時を戻し、二人目は時を止め、三人目は時を進める。

「じゃあ私の教室は･･･」

「佐藤と横尾も･･･」

「聞いた感じ、"三人目"が理由で間違いないだろうな」

「よっしゃあ!!早速そいつにガツンと一発食らわしてやろうぜ!!」

「私も手伝う！花子くんの助手だもん!!」

柚木は少しの間を挟んだ。寧々の事だろう。
その後皆で円陣を作る。

「そんじゃー力を合わせて、時計守をぶっ飛ばすぞー」

そうして、臨時の時計守討伐隊は結成された。