縁結びの縁切りさん【地縛少年花子くん】 (ページ19)

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後日、昨夜柚木達と話が弾み、夜明かしした名残で欠伸をしていると、斜め前から小さく、｢ありがとう、ヤシロP!!｣と声が聞こえてきた。

チラリと寧々を後ろから盗み見ると、柚木に少し似た、マイクを握った男の子が紙吹雪とスポットライトに照らされて満面の笑みで歌っている。

『寧々って柚木みたいなのがタイプだっけ？』

「ぁぁぁぁあ!?!?」

驚いた拍子に、寧々の手から携帯が滑り落ちる。
それを拾って寧々にニヤニヤしながら手渡す。

『このキャラクター、柚木に酷似してるけど･･･そういう？』

「ちっ、違う！たまたま選んだキャラがこれだっただけ！」

『へぇ〜』

「もう！違うってば」

否定すればするほど怪しい訳で。まあ寧々は極度のメンクイだし現時点ではそうかもしれないけれど。
寧々がゲームを再開すると、今度は葵に話しかけられていた。

「呼び出しだよ！しかも、かっこいい男の先輩から！」

「え！？」

驚く寧々に、葵が入口の方を指差す。するとそこには女子達が一人の男子生徒に群がっていた。何年生？だと言う声や、連絡先くれたら教えたげる、などの会話が時折聞こえてくる。危険だ。あの先輩。寧々について行こう(迷惑)

「寧々ちゃんったらモテモテ〜！」

「やっ、やだぁ〜。まさかぁ〜」

寧々は否定しつつも嬉しそうな顔をしている。よし、ついて行こう。
通りま〜すと人混みを掻き分け、先輩に近づいて行く。

寧々があ、と声を出すのと、先輩がよぉ、と言うのが同時だった。

「コンニチハ？」

先輩はニヤ、と妖しく笑った。