. ページ14
「・・・・・・・・・詩音?」
「司先輩・・・"願った"って、何だよ・・・」
オレが聞くと、司先輩はにっこりと笑った。
「俺はミツバの願いを叶えてあげただけだよ?」
「だから、なんで七不思議でもない司先輩が願いを叶えられ・・・・・・」
そこまで言ってハッとした。司先輩の頬に貼ってある封の字が書かれた黒い札。
それは依代に貼っているものと同じだった。
まさか、いや、そんな訳・・・・・・
「ま、待ち、やが・・・れ・・・」
源が司先輩の肩を強く掴む。
「テメェ、何者だ・・・ミツバに・・・オレの友達に手ぇ出すんじゃねぇー・・・!!」
司先輩はへぇ、と呟くと、自分の依代で源を吹き飛ばした。
源はまた壁に頭を打ち付ける。
「俺は怪異さ。何か一つを代償に呼び出した者の願いを叶える。あまねが叶えるのは生きた此岸の者の願いごと。そして俺が叶えるのは、彼岸の者の願いごと。
彼は願って、俺は応じた。だから俺は願いを叶える。
俺のやり方でね」
司先輩はゴト、と台にラジオを置いた。
何をする気だ、と警戒する。
「さあミツバ。君の願いを叶えてあげるね!」
そして、古い電話の受話器越しに誰かを呼んだ。
「サクラ!準備できたヨー」
電話から《わかった》と女の子の声がした。
そしてラジオからノイズが零れ出す。
《・・・こんな噂を知ってますか?"昇降口の首折りさん"》
その瞬間、ミツバの身体が跳ねた。拙い、
《中等部の昇降口に出る、首の折れた幽霊のお話。彼はとても寂しがり屋の幽霊なので、あなたに話しかけてくるかもしれません。"ねえ・・・"》
《「僕のこと忘れちゃった?」》
ミツバとラジオの声が重なる。
足が竦んで、冷や汗が吹き出てくる。
《もしも彼の名前を答えられなかったなら、その時は、首を折られて彼と同じ姿にされてしまうでしょう》
ラジオのスピーカーから生徒の噂声が聞こえる。
ミツバの耳を塞がなきゃいけないと思う反面、身体が言うことを聞かない。
駄目だ、と思った瞬間、昔の女子制服を来た女子がミツバの耳を塞いだ。
姉ちゃんだ。
「姉ちゃ・・・」
「司・・・!」
姉ちゃんは鋭い目付きで司先輩を睨む。
「死者の願いなんてもう絶対に、望んだ形でなんて叶わない!なのに何でこんな事を・・・!」
「凪も来たんだ!でもダメだよ?邪魔しちゃ」
司先輩は姉ちゃんを依代で拘束し、放り投げた。
54人がお気に入り
「原作沿い」関連の作品
【名探偵コナン】全キャラクターが持つ能力を全て扱える様になったから無双する 40
Kizuna 12章〜今日も愛されながら航海します〜
スーパーハイテク女子マネ! 2【忘却バッテリー】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
金平糖 - とっても面白かったです!続き待ってます! (3月5日 17時) (レス) @page27 id: 39be378cc2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http
作成日時:2023年10月5日 1時