カッケェ女子【HQ】【夜久衛輔】 (ページ10)

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カフェに行くと、休日と言うこともあり結構混んでいた。まぁ、新作出たもんな･･･そりゃ混むわな･･･

列に大人しく並び、雑談をして時間を潰す。

『そういや、何で君達みんな着いてきたの？悪いけど栗はあげないよ』

「それがね、夜久一人を抜け駆けさせる訳にはいかないって」

『あー･･･察した』

「ただの付き添いだって言っても聞かねぇんだよ」

『男子高校生なんてそんなもんでしょ。あとリエーフ顔面隠せ。女の視線が煩いから』

ハーフだか何だか知らないが外国人寄りの高身長イケメンに女子が気付かないはずもなく。店内の女子はチラチラと此方を見ている。なんなら店員までこっちを気にしている。視線がうるさいねぇ〜。

「もしかして俺の凄さに気付いて･･･！？」

『こんなあつまれ高身長の森に居る私と夜久可哀想』

「一緒にすんな」

『何を言うのかね夜久君。5cm差は誤差だ』

「誤差じゃねぇよ。大差だ」

『異論は認めない』

「認めろ」

そんな感じで茶番を繰り返していると時間はあっという間で、私達の番になる。
皆でメニュー表を見ていると、店員の一人があの、と声を掛けてきた。

「もしかして･･･

光莉ちゃんの妹ちゃん･･･？」

思わずメニュー表から目を離した。私を見ている店員の顔に、少し見覚えがあった。記憶を辿って顔を探す。

確か、姉ちゃんの葬式に居てアルバムにも乗ってた＿＿＿佐藤夏佳。

『･･･夏佳、ちゃん？』

私が言うと夏佳ちゃんはほっとした顔を見せる。

「良かった。合ってた。お通夜以来あんまり見てなかったから･･･元気だった？」

『あ、うん。元気、だよ』

ぎこちない返事しか返せない自分が嫌になる。
さっさと注文して戻ろう。

注文を再開して、商品を受け取って列から離れる。

適当に席に座ると、リエーフが聞いてきた。

「光莉って誰っすか？」

『あぁ･･･姉ちゃん』

「姉貴居たのか･･･」

『そだね。夜久とは正反対の野蛮の"や"の字もない優しい姉だよ』

「俺が野蛮だとでも言いてぇのか」

『そういえば今日あのプリン君居ないね』

露骨に話を逸らせば夜久からおい、と睨まれる。夜久のことを野蛮って言ったつもりじゃなかった。多分。

･･･多分ね。