カッケェ女子【HQ】【夜久衛輔】 (ページ7)

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デートとかカレカノ用語は照れるくせに交換するのは照れないんだな。
なんかつまらん、と思いながら、頭に腕を乗せてきたトサカの腕を払い落とす。

『夜久って女子慣れしてんのかしてないのかわっかんないな』

「ん？なんで気になんの？」

ボソッと呟いた独り言を、隣にいたトサカに拾われた。
地獄耳かよ、と思いながら応える。

『別に。気になるとかじゃないよ。ただ弄りがいがなくてつまんないって話』

「意地悪か」

『てかなんで出会ったばかりのトサカにこんな話さないとなん？』

スカートのポケットに手を突っ込んで聞く。
トサカって、と笑いながら、黒尾鉄朗です。と自己紹介された。それにつられて、私も羽駒Aです。と返す。

『鉄くん好きな子いんの？』

「鉄くんて･･･そういう羽駒はいるんですか？好きな人」

『ん〜･･･そういう青春は全部、5年前に置いてきたといいますか』

冗談交じりに軽く笑って言う。

「･･･いい人いなかった？」

冗談が通じているのかいないのか。事情はわかっていないだろうけど見透かしているような目をする鉄くん。

『･･････鉄くんにはあまり関わりたくないね〜』

「唐突な悪口デスカ」

『口調が詐欺師そのものだからなんか言いくるめられて、気付いたら話したくない事まで話してそう』

「マジで悪口じゃん。俺ちゃんと傷付くからな」

ちゃんとって言葉が可笑しくて、笑いながら鉄くんの背中をグイッと押した。

『鉄くんも着替えてきたら？もう練習終わったんでしょ』

そう言えば、ハイハイ、と言って鉄くんは部室へ戻って行った。
全員が部室に行って一人きりの体育館。
妙に広くて、静かで、落ち着かなくなる。

ふと、バレーボールが視界に映った。
危ないな。ちゃんと片付けなよ、とブツブツ言いながらバレーボールを拾う。

『･･･やっぱ、しっくり来るんだよなぁ』

バレーボールの形や重みが懐かしくて、思わず、ふ、と笑う。
1度だけ、サーブ打ってみようかな、とボールを上げようとした瞬間、扉の方から声がかけられた。
ビクッと少し肩が跳ねる。

「あ、悪ぃ。」

『･･･なんだ、夜久か。ちょっと待って。これ片すから』

ボールを片付けようと、倉庫の方へ向かう。
すると、後ろから夜久に話しかけられた。

「羽駒、バレー出来んのか？」

『･･･やらないよ？』

ニッコリ笑って、そう返した。