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なんでこの人が謝ってるんだろう
『なんで謝るんですか?お母さん何も悪くないですよ』
「っ・・・すみません・・・ちょっと」
涙ぐむ母親
辛いだろうな
朝は元気に出ていった娘が、こんな風に痛めつけられて
5日間も話せない
『泣かないでください。例え5日間起きなくても、もしかしたら明日起きるかもしれないですよ』
『あの子まだ生きてるんですから希望を捨てないで下さい。生きてる限り、人生なんとでもなりますから』
由希「・・・・・・」
「ありがとうございますっ・・・本当は私たちがしっかりしないといけないのに、本当にありがとう」
『あんまり張り詰めすぎないでくださいね。頑張りすぎてたら大変なことになりますから』
「後で、旦那にも話しておくわね。娘の友達でこんなにいい子が来てくれたよって。
旦那も喜ぶと思うわ」
『いえいえ、そんな大したことしてないですから』
「励まされたわ。ありがとう」
『・・・そろそろ行かないといけないので名残惜しいですがここで失礼しますね』
「はい・・・また来てね」
由希「・・・はい」
あ、喋った
由希「なんで嘘ついたの?」
『ん?なんでもいいじゃん・・・・・・強いて言うなら、同情』
由希「・・・は?」
『迷惑なことだってわかってたけどさ、でもあのお母さんは私たちみたいなひねくれた人じゃないでしょ?』
『たった一言の綺麗事でも嬉しいと思うよ』
由希「そんなとこ見てんだ」
『何、そのニヤケ面は』
由希「べっつにぃ?」
『うわ、心底ムカついた』
由希「ほら早くきなよ。置いてくよ」
『あんたねぇ・・・』
由希「やっぱりAは、私の王だ」
そう呟いた由希の声は、私の耳には届かなかった
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作者名:Wolf @ 元フェアリー | 作者ホームページ:http
作成日時:2022年12月25日 0時