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葛葉さんは意外とスキンシップが好き。暇さえあれば私を抱きしめに来るし、隣に並んで座る時も肩と肩がピッタリとくっついている。初めこそ触れる度にドキドキと心臓を鳴らしていたけれど、もう大分慣れたものだ。
未だに慣れないのは、呼ばれ方。
葛葉さんはいつからか私を「A」と呼び捨てするようになった。もちろん人生で初めて呼び捨てされたわけじゃないのだけれど、彼の声がやけに甘くて。元々のハスキーに蜂蜜をふんだんにかけたような、蕩けるような声で私を呼ぶのだ。
ほら、今も。
「A」
『はぁい』
「⋯呼んでみただけ」
名前を呼ばれて、私が反応して、小さく微笑みながらそれを隠すようにそっけない態度をとる。これも私達の中では定番だ。
⋯私は「葛葉さん」呼びじゃんって？
そう。そうなのだけど、呼び方を変えるタイミングを失ったというか、恥ずかしいというか。⋯イメトレは何回もしたけれど、イメトレだけで顔がカァと熱くなる。
⋯葛葉って呼んだらどんな顔をするのかな。
『くずは、』
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯え？」
意を決して「葛葉」と呼んでみせると、彼は豆鉄砲をくらったような反応を見せた。
音がない空間が怖くなり出そうとした私の声は、「もう1回」という葛葉さんの声によって封じられてしまった。
「早く」
『…葛葉』
「…顔あっか」
『っだって恥ずかしいもん、』
「かわいいね、おまえ」
心做しかいつもよりも甘い気がする声に酔いしれそうになってしまう。
あーと声を出しながら、いつものようにぎゅうぎゅうと抱き寄せられる。言葉にはしていないのに、身体を伝って「嬉しい」が押し寄せてくる感覚。
…でも、そろそろ息苦しい。
『葛葉さんちょっとだけ離れ、っ、！』
顔を上げたその瞬間、柔らかいものが唇に触れた。
犯人は腑に落ちないとでも言うかのように眉間にしわを寄せる。
「葛葉さん？」
『…くずは！』
「分かってるならよし」
額をこつんとくっつけ暫く見つめあうと、2人してその空気に耐えられず、プッと吹き出してしまった。
…本当に、逃げなくてよかった。もしあのまま逃げていたら、きっと私は笑えていないはず。
ずっと一緒にいられますように。
「葛葉さんって呼んだら罰ゲームな」
『何するの？』
「…次は押し倒すか」
『っ、！ばか！』
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かれん - 初々しくてかわいらしくて大好きです！ (4月16日 22時) (
レス) @page37 id: ebdd9afa56 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - ほんとにほんとに最高です！kzhさん作品で一番大好きです!またひょっこり訪れましたらkzhさんkneさんお願いますお願いします!とてもドキドキしました😢 (1月19日 7時) (レス) @page38 id: 066d5681b9 (このIDを非表示/違反報告)
ひてゃん(プロフ) - 完走お疲れ様です！とても面白かったです😿 (5月19日 18時) (レス) @page35 id: beb1a37d1b (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - まおさん» 完結最高すぎた!!作品をつくってくれてありがとうございました!! (5月19日 7時) (レス) @page35 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - えーーん最高でした（ ; ; ）かわいいかわいいカップルの続きを短編でいいのでぜひ！！おねがいします！！泣 (5月18日 23時) (レス) @page35 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結
| 作成日時：2022年6月2日 15時
