好きです、会長。～S.Seiya～ (ページ17)

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chapter 17 ページ17

学校から駅までの道中、

何も話すことがなくて2人とも静かに歩いていた

いや、話すことが無いわけではないけれど、

あの日の話題をいきなり出すには戸惑う

・

少しの間続いた沈黙を破ったのは、

末｢、、、あのさ。｣

会長だった

『あっ、はい！なんですか？』

末｢A、この前、協力してくれるって言ったやんか。｣

恥ずかしいのか、マフラーに口元をうずめ、途切れ途切れに話す会長

もちろん、協力してくれる、っていうのが何のことかはすぐにわかった

『言いましたね。』

末｢、、、あの後、どんな風にしたら意識してもらえるか考えてんけど、全然わからんくてさ。

、、、どうしたらええと思う？｣

そう言ってちらっと目線だけこっちに送ってきた

『どうしたらええか、ですか、、、。』

協力するとは言ったものの、私にアドバイスできるほどの恋愛経験があるわけもなく、

『当たり前なのかもしれないですけど、好きな物覚えててくれたりとか、
髪型とか身の回りの物を少し変えた時に気づいてくれて、褒めたりしてくれたら嬉しい、ですね、、、。』

とりあえず私が会長にされて嬉しかったことを言ってみたけど、

思ったより恥ずかしかった

本人に気づかれないように心の中で必死に願う

末｢なんでお前が照れてんねん。笑｣

でも、そっか～、とつぶやきながら遠くを見つめる会長

どうやら自分がやったことだとは気づいてないみたいだ

っていうか今まで無自覚でやってたのか

それはそれで恐ろしい

『こんなんでアドバイスになりますかね？』

恐る恐る聞いてみると、

末｢おん。女子のリアルな声聞けてよかったわ。

俺、てっきり壁ドンとかせなあかんのかと思ってた。笑｣

『いや、普通の男友達に壁ドンされたら誰でも引きますよ。笑』

末｢やっぱり？笑｣

そんな冗談を言い合っていると、いつの間にか駅まで着いていた

会長と私は家が逆方向だから、ここでお別れとなる

末｢じゃ、気をつけて帰りや～。｣

『はい、

会長も頑張ってくださいね～。』

ちょっとからかったようにそう言うと、

末｢お、おう、がんばるわ。笑｣

恥ずかしくなったのか、じゃ、じゃあな！と私に手を振って、急いでホームまで降りていった

そんな会長がなんだかかわいくて、自然と笑みがこぼれた