Lostmemory～君が俺を忘れても～ (ページ4)

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マネージャーの運転する車で病院に着いて看護師さんに案内されるまま連れてこられたのは『ICU』と書かれた部屋だった。
看護師｢こちらです。今執刀医を連れてきますのでこちらでお待ちください｣
その中には入れず、ガラス越しだけど。そこには身体中包帯だらけで痛々しい姿の相棒の姿があった。
瑞稀｢はしもっちゃん…。なんで…。なんでこんな事に…！｣
医師｢お待たせしました。橋本さんの手術を行った長谷川です｣
Mg｢マネージャーの井川です。あの、橋本の容態は？｣
医師｢内臓をかなり損傷しています。できる限りの事はしましたが…。後は、本人の体力に任せる事しかできません。それより、頭をかなり強く打ち付けているのが気になります。目を覚ましても、後遺症が残る可能性があります｣
瑞稀｢後遺症って…。まさか、このまま一生歩けない…とか言わないですよね？｣
医師｢…覚悟された方がよろしいかと｣
それだけ言うと先生は俺達に一礼して帰って行った。
警察｢あの、神奈川県警のものですが。少しお話よろしいですか？｣
その後、警察の話によればはしもっちゃんは飛び出してきた子供を助けて車に撥ねられたらしい。
優斗｢なんか、涼っぽいよな…｣
蒼弥｢子供助けようとして自分が車に撥ねられるとか、何やってんだよ…｣
龍斗｢それがはしもっちゃんなんじゃない？どこまでも優しくて。皆が笑顔になれるなら、汚れ役に回るのも厭わない｣
優斗｢ホント、ヒーローみたいだよな。涼ってさ…｣
子供が大好きで。どこまでも優しくて。馬鹿なんじゃない？って思うほどのお人好し。だけど、『助けて』なんて言わなくてもサラッと俺達が助けて欲しいと思ってる事をしてくれるんだよね。
瑞稀｢でも、それが『涼』なんだよな…｣
太い管を幾本も付けられた涼。そこにはいつもの元気ハツラツな涼はいなかった。その後、涼が庇った子供が母親に連れられて俺らの元にやってきた。母親は泣きながら俺達に何度も何度も頭を下げていた。それを、俺は呆然としながら見つめていた。もう、怒る気力も、その母親を責める気力も残っていなかった。ただ、涼の傍にいたい。それだけが俺を。『俺』という体を動かしていた。