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それから1年後。俺は必死に病気と闘って、辛い化学療法も頑張った。そのお陰もあって赤血球と白血球の数値が正常の数値に戻った。
先生「うん。この数値に戻ればもう大丈夫ですよ」
涼「ホントですか!?」
先生「はい。もう普段の生活と同じようにしても大丈夫ですよ」
涼「ローラーは?ダンスは?歌は?出来るんですか?」
先生「大丈夫ですよ。只し。3ヶ月に1度、定期検診に来てくださいね?」
涼「はい!」
先生から完治したと告げられてから1ヶ月。自宅で体力作りやボイトレをしてやっと今日からアイドル復帰。
涼「皆、ビックリすっかな〜」
滝沢君には報告はしたけど瑞稀達には伝えていない。少し、ビックリさせたくってさ♪
優斗「涼が白血病になってもう1年か…」
蒼弥「だいぶ良くなったのかな?」
ガチャ。
涼「よっ。皆」
優斗「はしもっちゃん!」
瑞稀「っ、涼!!」
涼「皆、心配かけてごめん…って。ちょ、瑞稀苦しいって」
瑞稀「バカ!この馬鹿野郎!治ったんだったら連絡の1本ぐらい入れろ。このバカ!」
楽屋に入れば懐かしい面子が揃ってて。喋ろうと思ったら瑞稀に正面から抱き締められた。でも、それを茶化そうと思ったけど辞めた。だって、俺の服がどんどん濡れてってるから。どれだけ、1人で心細かったんだろう。瑞稀は、凄く繊細で。弱い部分がある。当たり前のようにいつも傍にいてくれた人が傍にいてくれない。それがどれだけ辛いか。その辛さは俺も知ってる。辛かった化学療法。そんな辛い時、瑞稀が。HiHiのメンバーがずっと傍にいてくれたら。俺の手を握ってくれていたら。どんなに心強かったか。けど、そんな事は出来る筈も無くて。俺は1人で頑張った。皆の笑顔が見たかったから。
涼「瑞稀。ごめんな?」
瑞稀「もう、平気なの?」
涼「うん。数値も正常値に戻ったし。3ヶ月に1度定期検診受けなきゃダメだけど後はいつも通り過ごして良いってさ」
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作者名:パセリまみれ | 作成日時:2020年12月25日 0時